外の様子
誤字脱字の指摘、大変助かっております。
種まきと道制作、ダンジョンの活用相談などをしていると。日が傾き始めていた。
俺は家に帰り食事を終える。
その頃に仕事組が帰ってきた。
「ただいま帰りました」
「お帰りフィナ」
「ご主人様、今日来た子供の数は五十人ぐらいですね。ドロアーテに居る孤児は大体は集まったようです。今後どのようにすれば?」
フィナが俺に聞いてくる。
「そうだなぁ、悪いんだが服屋のおばちゃん所に子供たちを連れて行って下着と服、そして靴を調達してもらいたい」
フィナは少し考えて、
「しかし、あの子たち汚れています。あのまま店に入れるのはちょっと……」
と答える。
そうだよなぁ、確かに店に入るには厳しいかも。
「じゃあ、明日は俺も行くようにするよ。洗浄魔法をかけよう」
「わかりました。一緒に行っていただけるのは助かります。何より一緒に居られますから嬉しいです」
フィナがニコニコし始める。尻尾も揺れていた。
「あとは寝具、食器だろうなぁ。大量だからどっかの王都で仕入れようか? 数軒回れば見つかるような気もするし……。そういえばオッサンが料理人を紹介してくれるって言ってたなぁ。だったらオセーレに行くかな」
俺は顎に手を当て独り言をしながら考えていた。
そんな話をしていると、イングリッドも戻ってきたようだ。
「マサヨシさん、『オッサン』ってお父様のことですよね。さっき聞こえたのですが」
イングリッドが聞いてくる。
「その通りお前の『お父様』のことだ」
「でしたら、お父様から『料理人の都合がついたから迎えに来てくれ』とマサヨシさんに伝えるよう言われました」
「ありがとな、丁度よかった。話ついでにイングリッドにお願いがあるんだがいいか?」
「マサヨシさん! なんでしょう? 何でもしますよ」
イングリッドは『お願い』が嬉しいのかニコニコしながら身を乗り出して聞いてくる。
「いやな、寝具と食器を揃えたい。予備も込みで敷布団と掛布団がとりあえず七十セット。コップ、フォーク、ナイフ、スプーン、そして食器一式が七十セット。盛り皿が二十枚ぐらい。陶器は割れるから、銀なんかの金属製か、木製にする予定だ。そういうものが揃えられる店を教えて欲しいんだ。知らなかったらオッサンや兄貴に聞いてもらってもいい」
話を聞いたイングリッドが、
「店なら知っていますが、いつ行かれるのですか?」
と聞いてきた。
「そうだなぁ、明日の午後だと思う。子供たちを洗浄したら行く予定」
「一緒にお買い物ができるのですね」
「そうなるな」
「楽しみにしています」
けっこうな勢いのイングリッド。
楽しみにしてもらえるならいいかな。
イングリッドと話をしていると、俺にフウが纏わりつく。
ああ、ラウラも戻ってきたようだ。
「お帰り、ラウラ」
「ただいま、マサヨシ殿」
「向こうはどうだ?」
ラウラは俺の前に来ると、
「第三中隊は別の騎士が隊長として就任しました。あの男は厳しいですから風紀も元に戻るでしょう。ああ、父上が話がしたいと言っていました。王を治療する前に来て欲しいと……」
と、言ってきた。
向こうで何かあったかな?
「ラウラ、わかった。アイナと一緒に行くよ」
「お願いします。それでは私は食事に行きますね」
ラウラがその場から離れた。
ノーラはまだ帰って来ない。
残業かな?
まあ、ノーラは向こうにも寝室があるから問題ないか……。
カリーネはギルドが忙しい?
あとでフォローしておかないとな……。
アグラには、家で待っていてもらう。
「マスターわかりました。お気をつけて」
と言って二階の手すりへと向かった。
アイナの部屋へ行きノックをすると、中から「入って」という声が聞こえる。
中に入ると、いつもの装備をつけたアイナがベッドに腰かけていた。
「もう行くの?」
「ヘルゲ様に『早めに来て欲しい』と言われたんだ。とはいえアイナも準備が早くないか?」
「私は、マサヨシがいつでも行けるように準備していた。ただ夜と言っても長いから」
「そうだな、夜のいつ頃ってのは言ってなかったか……申し訳ない」
俺は頭を掻きながら謝る。
「いい、私が勝手に待っていただけだから。で、もう行くんでしょ?」
そう言ってアイナは立ちあがり俺に近づく。
「そうだな、それじゃ行くか」
俺は扉を出しヘルゲ様の部屋へ向う。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。




