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ダンジョン活用法

誤字脱字の指摘、大変助かっております。

「アグラ、魔力を使えば、ダンジョンの中に魔物は出せる?」

「マスター、可能ですよ?」

「グランドキャトルとかは?」

「可能です」

「だったら、飼えるかな?」

「ただ、飼い慣らせるかですね。人は慣れていませんから」

そう言った後、何かを思いついたようだ。

「ああ、マスターなら隷属化できますから問題ないか……」

「確かに俺ならできる。移動用の馬や農耕用のグランドキャトルは隷属化したほうが良さそうだ。能力も上がるし、言うことも聞く。ただ、家畜として乳を搾ったりする分にはなあ……テストしてみないとわからないかも。雄のグランドキャトルだけ隷属化すれば、その下に着くメスは能力が上がるかもしれない。コカトリスもそんな感じだったからね」


「そういえば私も能力が上がったうちの一匹ですね」

こいつ魔石だから一匹と言うのが正しいのかどうかわからないが……。

「隷属化して能力が上がってどんな感じ?」

アグラは腕(羽)を組んで考える。

「私はダンジョンの奥で干からびたリッチと暮らしてました。魔石だったせいで私は動けませんでした。マスターといるほうが数十倍楽しいです。マスターに隷属して動けるようになって思います。隷属化しているといっても別に何か強制されることも無いですし……」

「そうか、だったらいい」

アグラが楽しめていたらいいのだ。


「とはいえマスターは奴隷の持ち主としては失格ですね。奴隷の尻にも女の尻にも敷かれています。普通は逆ですから」

んー、尻に敷かれているのは今更なんだが……。

「それは否定できないや。俺は奴隷の居ない別の世界から来たから、奴隷の扱い方を知らないんだよ」

「えっ?」

とアグラが驚いた後、

「えっ、マスターこの世界の人じゃないの?」

再度驚きの声が上がる。

「アグラは知ってたんじゃないのか? 俺がドラゴンの呪いでこの世界に来たって……」

言ってなかったかな? 

「マスター、私はリッチの知識として、『ドラゴンの死体を最下層のボスにした』というのは知っていますが、その『ドラゴンがかけた呪い」までは知りません」

「まあ俺に隷属化するまでは部屋の端っこに納まってたただの魔石だからな」

「ですから初めて聞きました」

ウンウンと頷くアグラ。

「まあ、そういうわけで、ドラゴンの呪いで異世界から来たんだ」

「了解しました」

アグラは再び腕(羽)を組み頷いていた。


「ちょっと話がズレたな」

「ズレましたね」

「俺はダンジョンを上手く活用したい。せっかくダンジョンマスターになったんだからな。そういうわけで聞きたいんだが、マジックワームってダンジョンで出せる? 絶滅したらしいんだけど」

「出せますね。幼虫でしょうか、成虫でしょうか、蛹でしょうか?」

蛹? 蛹って言ったよな。

「蛹には繭がついてるか?」

「多分……としか言いようがないですね。ダンジョンの中に行けば出せるんですけど……」

申し訳なさそうな顔をするアグラ。

「まあ、幼虫から育てるって手もあるが……」

「『が……? 』どうしたんですか?」

「餌がわからない」

確かカイコは桑の葉だったよな。

「ああ、そういうことですか。リッチの知識にも無いようです」

「そうかぁ、繭付きの蛹ならいいなぁ」

繭付きの蛹なら糸が取れる。それで布を作れば服ができる。多分めちゃ高い。ボロ儲け。

捕らぬ狸の皮算用かな? 


「あと、香辛料とか欲しいんだけど、ドロップさせられる?」

「はい、香辛料も元々雑草ですから魔力はあまり必要ありません。

「辛い調味料は有る?」

「ああ、オーガスナップとドラゴンパプリカとゴブリンコショウというのがありますね。オーガスナップがつぶつぶの小さな種のようなもの。ドラゴンパプリカは龍の爪とも言われ赤く辛い実です。あとゴブリンコショウは、」

オーガスナップはマスタード? ドラゴンパプリカは唐辛子っぽい? なぜゴブリンコショウだけ「コショウ」なんだ? 

「それもドロップさせたいなぁ。希少性を上げるために三十七階より下でいいかな」

今の食事には香辛料は無い。サラがいろいろやってくれるのだが、塩と素材の味だけでは味気ないのだ。

「マスター、私の魔力的に可能であればこの世界にある魔物は出せます。今ですと普通のドラゴンぐらいは出せますね。一回につき一頭が限度だと思いますが……。ドロップについても魔力次第です。あまりいいモノを多量にと言うのは難しいと考えてください。まあ、先ほどマスターがおっしゃった辛い調味料は魔力的に微々たるものなので、いつでも出せます」

「了解。俺ももう少し落ち着かないとダンジョンに潜れないから。その時だなぁ」

「その時は私にご用命を」

ぺこりと頭を下げるアグラ。

「こちらこそよろしくお願いします」

そう言って俺は肩に居るアグラに会釈をするのだった。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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