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家の周りを開拓しよう3

誤字脱字の指摘、大変助かっております。

 家に帰ると、飯場を立てる場所を考える。

 んー孤児院は、クリスの母ちゃんの館の横? 水が要るなら池の近くでもいいが……。まあ、後で建物は動かせるから、クリスの母ちゃんの館の横に置いておくか。

 某シム市の気分……。

 俺はヒヨーナで手に入れた使用人用の建物を置いた。

 やっぱ基礎の分入口が浮いちゃうんだよなぁ。

(ぬし)よ、ミシミシいっているぞ?」

 確かにミシミシ言ってる。浮いてるせいで変な力が建物にかかってるんだろうなぁ。

 早速

「クレイ、頼むよ」

 土木関係で無類の強さを誇るクレイに依頼をする。

「仕方ないわねぇ」

 と、嫌そうな声が聞こえると建物と地面が輝き丁度いい具合に建物が埋まった。

「ありがとな」

「べっ、べつにこのくらい簡単だから」

 クレイは静かになる。

「これで、ドワーフの大工を呼べるな」

 ドワーフたちが仕事をするための飯場の建物を見てリードラと二人満足していると。

「リードラ、ちょっと手伝って!」

 アイナから声がかかりリードラは館を手伝いに俺から離れた。


「マスター!」

 声を上げながらフクロウが飛んでくる。

「どうしたアグラ?」

「置いて行くのはズルいです」

 半泣き? のアグラが俺の肩に止まる。

「おう、悪い」

「寂しいからついてきたのに、結局一人では意味がないじゃないですか!」

 頭をぐりぐりと押し付けてくる。

「悪かったって……」

 アグラの頭を撫でながら言った。

「うー、私としては許すしかないんですけどね……。ところでダンジョンと繋ぐのはどうしましょう?」

「まだちょっと無理だな。餌になる蜜が無い。鉱山を作ろうにも労働力が無い」

「そうですか、私、暇なので何かできないかと思っていたのですが……」

 残念な顔をするアグラ。

「なら、ドロップアイテムとして蜜源植物そのものや苗、種を出すことができるか?」

「蜜源植物?」

 アグラはフクロウらしく大きく顔を傾ける。

「蜜が多い植物だ。レンゲソウとかそういやラベンダーも、柑橘系? レモンのような植物もそうじゃなかったっけ?」

「レモンというのは聞いたことがあります。黄色くて酸っぱい果実ですね」

「多分あってると思う。レモンの実ができる前に花が咲くんだが、その花が蜜を多く含むらしい」

「マスター、ゴールドバーチという木が甘い樹液を出すという知識が私の中にあります。花ではありませんが……」

 幹に傷をつけ、その樹液を回収させてみてもいいかもしれない。

「そういやカエデも甘い樹液を出すな。煮詰めてさらに甘くしたものをメイプルシロップって言うんだ」

「メイプルという名の木は知識としてありますね、シルバーメイプル。これも樹液が甘いらしいです」

「お前、ダンジョンコアなのに植物の知識が何であるんだ?」

「ああ、私が使役していた前ダンジョンマスターであるリッチの知識です。元々魔法使いでもありましたが、植物学者でもあったようですね。ダンジョン生活ではあまり役に立たなかったようですが……。私はリッチを使役し知識を共有していましたから私の頭の中にその内容が残っているのです」

「逆に俺はお前を隷属させているから知識共有されていないというわけか」

「マスター、私が知識共有できるのは自分よりINTの低いダンジョンマスターだけです。まあ、今まで私よりINTの高いダンジョンマスターなど居ませんでしたがね」

 そう言ってアグラは俺をじっと見た。

「はいはい」

 俺は軽く流す。

 ショックそうな顔をするアグラ。

「じゃあ、甘い蜜を出しそうな植物もわかるか? できれば手に入れやすい奴」

「そうですね、レッドヴェッチ、ホワイトヴェッチという雑草が蜜を多く持っているそうです」

レッドヴェッチ、ホワイトヴェッチねぇ……ミルクヴェッチがレンゲソウだったよな、それに近い?

「それじゃ、レッドヴェッチとホワイトヴェッチの種をダンジョンでドロップさせることは?」

「それは可能ですね。雑草ですから魔力なんてほとんど必要ありません。一階からでも出せますよ?」

「カリーネに言って冒険者ギルドに依頼を出すか……」

「ゴールドパーチやシルバーメイプルはドロップさせられる?」

「成木がいいんですよね?」

 アグラが聞いてくる。

「まずは成木だろうな」

「成木にするには魔力が必要です。魔力の濃い場所つまり深い場所になります。でしたら、三十一階以下ぐらいじゃないと難しいですね。それに結構高い木になりますから持ち帰りができるのは収納カバンを持ってるマスターだけです」

 そういうことになるらしい。

「俺のあとに、三十階に到達した冒険者は?」

「いませんね。

 最近の冒険者は二十階のボスさえ倒すのがやっとで、死亡のリスクを回避するために、その下を目指す者が少ないのです。

 普通の冒険者では三十階以降のサイクロプスを狩るのは無理みたいで……」

 冒険者も商売だからねぇ……命が惜しければ舌を目指す者も少なくなる。

 なら俺は狩り放題かって事か……。木が手に入る率も高くなる。

「それじゃ一階、二階でレッドヴェッチとホワイトヴェッチのドロップ開始。三十一階以降のゴールドーパーチとシルバーメイプルのドロップも頼む」

「わかりました。一階、二階のドロップ品の中にレッドヴェッチとホワイトヴェッチを追加します。三十一階以下の魔物については一度倒してもらわないとドロップ品の変更は効きませんので、マスターによる討伐をお願いします」

「へっ、魔物って消せないんだ」

「はい、出せますが消せません。ダンジョンコアと言えどもできないことはあるのです」

「手間かかりそうだなぁ……」

「諦めてください」

 ニッコリ笑うフクロウが居た。

 本日、総合評価が二万を越えました。

 ちょっとでも私の作品に興味を持ち読んでくださった方々に感謝です。本当にありがとうございました。


※ご指摘により蓮華からレンゲソウ、ロータスからヴェッチに変更しました。

 ご迷惑をおかけします。

 2.16

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >「今のところ三十階に到達した冒険者は?」 >「いませんね」 ん? 主人公以外の最高到達階層は三十七階じゃありませんでしたっけ? それもそこから強くて進めないじゃなく、デカイ川が有るか…
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