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エルフの都

誤字脱字の指摘、大変助かっております。

 今度は何のイベントもなく順調に王都に向かう。

 すると見たこともないような高い城壁が見えてきた。

 三十メートルはある? 

 再びリードラに人化してもらい、入街税を払って中に入る。

 リードラを連れ歩いていると。

「お前は何者?」

 騎士風の男に急に声をかけられた。エルフにしてはマッチョな体つきだった。

「冒険者だけど?」

「なぜ、三体もの精霊を……それも高位の者を使役しているのだ?」

「使役? そんな気はないぞ? 手伝ってくれるんだ。お前、使役ってことは契約しているのか?」

「そうだ、契約無しで精霊を使えるなど、王か、その娘クリスティーナ様しか聞いたことがない。ああ、あの炎の精霊に愛されたクリスティーナ様。そのクリスティーナ様もどこに居られるかわからない」

 恍惚とした表情。クリスのファンらしい。

(ぬし)よ、気持ち悪いのう」

 俺がクリスを奴隷として所有してるって聞いたら襲ってきそうだな。

「お前も大変だな」

 俺が精霊に向かって言うと、騎士の精霊が頷く。


「で、俺が精霊を三体持ってることで何かあるのか?」

「その精霊を譲らんか? 滅多に居ない高位の精霊。精霊騎士たる俺が使うのが正しいと思うのだが?」

「それはどんな理論だ? 聞いたことがない。この精霊たちは譲る譲らないじゃないんだ。彼女らの意思で付いてきているんだから……」

「では、俺がその精霊をもらっていいのか?」

 ニヤリとする精霊騎士。

「ああ、彼女らが自分から行くのなら仕方ない」

 何か方法があるのだろうか。余裕の精霊騎士。

 すると、

「エレメンタルバインド」

 と叫び俺に魔法を使った。まあ、俺に纒わりついているから俺にかかるわけだが、

「この魔法から逃れられる精霊などいないのだ!」

 凄い自信だ。

 しかし、エン、スイ、クレイはなにも感じないようだ。

「何っ? 効かないだと?」

 焦る精霊騎士。

「正直どうなの?」

「あの程度なら、僕たちでも十分レジストできるけど。マサヨシ様のINTのせいで何も感じませんでした」

 魔法の失敗を喜ぶ精霊騎士の精霊。

「あの子、嫌がってるから、できれば解放してほしいんだけど……」

 クレイが言う。

「今度は俺がその精霊をもらっていいか?」

「出来るはずがあるまい? エルフの国の最上位魔法書士、バルブロ様に契約してもらったのだぞ? あの人のINTはSSだ」

「あいつはバカじゃな」

 リードラがかわいそうな目をして精霊騎士を見た。

「契約台無しで破棄か」

 俺は精霊に近づくと魔力を流す。流す量を増やしていくと突然精霊騎士の胸元から炎が上がる。

「アチッアチッ」

 火を消そうと必死だ。

 あっ契約書が燃えた。成功だね。

 元精霊騎士の精霊は、体をパタパタと叩く、ピョンピョン跳ねる。嬉しそうだ。

「おいで」

 エンが呼ぶと、俺の体に纒わりついてきた。

「じゃあ、貰うよ」

 何が起こったのかわからず、真っ白になっている精霊騎士。

 まわりに人も集まってきていたので、さっさとその場から去った。


「もらったけど、貰っていいのかね?」

「いいのよ。あんなやつと一緒より、マサヨシと一緒の方がこの子も嬉しいと思うわよ?」

 うんうんと頷く精霊

「こいつは喋れないの?」

「まだこの子じゃ無理ね」

 クレイが言う。

「火でいいんだよな」

「そう、火の精霊」

「お前に名をやるよ、『ホムラ』だ。精霊って呼ばれるのは味気ないだろ?」

 喜びピョンピョン跳ねるホムラ。

「僕よりカッコいい」

 エンが拗ねる。

「火の別の言い方だ。お前は炎だろ、だからエンでいいと思う」

「うーん。上位だからエンってこと?」

「そういうことだな」

「だったら納得」

「そろそろ家に帰るぞ。飯場も設置したいしな」

 俺はそう言いながら扉を出し家に帰るのだった。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 炎=ほむらで火にほむらという読みは無いですが。
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