カリーネに……
差し込みです。短いです。
とりあえず家に一度帰ると、アグラに
「悪いがリビングで待っていてもらえない?」
と言って肩から離れてもらった。
「さて、ちゃんとしてくるよ」
扉を出しゼファードの冒険者ギルドへ向かう。
「お待たせ……」
と部屋の中へ入ったと同時にカリーネが抱きついてきた。
精霊たちに離れていてもらう。
俺の体は若いころの姿に戻る。
わざわざ恥ずかしいところを精霊たちに見せる必要はないかな?
「で、何で全裸?」
「だって、見てもらいたかったから。私の体……」
「綺麗だな。狐の獣人で良かったんだっけ?」
大きくフカフカした尻尾を布団にして寝た記憶がある。
「そう、狐の獣人。希少なのよ」
「そうなんだ、知らなかった」
「興味なさそうね」
「獣人ってとこには興味ないかな? 俺的には、お前に興味があるから。柔らかい尻尾とピンと伸びた耳。んー全裸だから気付いたとかではないんだが胸もあるしな。強そうだが弱く見える時もあるし。そういうところに興味がある」
急に元気がなくなると、
「私は既に使い古しよ? あの子たちとは違う」
と、カリーネが言う。
「それを言うなら俺も使い古しだ。妻は居たんだからな。そんなことを気にする必要はない。気にしてたのか?」
「だって……私は子持ちだし……」
「今更何を言ってるんだ? よいしょっと」
俺はカリーネを抱き上げると、
「俺お前の事好きなんだよ。だから結婚してくれないか?」
「ごめん、私プロポーズって初めてなの……だから……涙が出る」
俺を抱きしめるカリーネ。ふわっといい匂いがした。
ギルドマスターの部屋のソファーに座る。
「全部見えてるのが困るぞ」
「見たことない訳じゃないでしょ?」
「まあね。見たことない訳じゃないが、我慢するのが辛い」
「我慢しなきゃいいのに」
「ふぅ」ってかんじでため息をつくカリーネ。
「でも『簡単に我慢できる』と言われるのも嫌じゃないか?」
「それはそれで困るわね。『私に魅力が無いのかしら』って思う」
「つまりカリーネに魅力があるから困るんだよ」
「そういうことにしといてあげる」
そう言うと、カリーネは服を着はじめた。
「あーあ、せっかく全裸で迫ったのに。結構勇気いるのよこれ……」
「ごめんな、もうちょっと待ってもらえるか?」
「それこそ今更でしょ? 待ってあげる」
カリーネは唇に軽くキスをしてきた。
「残念、慌てないのね」
「ちょっと慣れた。一緒に帰るか?」
「もう少し仕事をしてから帰るわ」
「ほどほどにな」
俺はそう言うと、精霊を呼び偽装する。そして家へ帰るのだった。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。




