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王女と女騎士

誤字脱字の指摘、ありがとうございます。

 夕食が終わり、リビングを見ると。

 女性陣で飲んでるねぇ。

 あの中に入る勇気もないので、そのまま部屋に向かった。

 部屋に戻り布団に入る。

 リードラの言葉もあり寝込みを襲われる可能性も考えたが、まあ、その時はその時で……。

 疲れがあったのか、すんなり眠りに落ちるのだった。


 目が覚めたのは周囲がうっすら明るくなった時。特に何もなかったようで布団にも乱れはない。

 あまりに何も無くて心配である

 部屋を出てリビングを見ると、リードラと王女様が起きていた。

 えっ、カリーネさえも潰れてる。

 階段を降り、リビングに向かうと。家に帰ってきた時と同じテンションの王女様とその相手をしているリードラが居た。

(ぬし)よ、この王女様は底抜けじゃの。ずっと飲んでおる」

「きゃはははは。お酒が美味しい」

「だそうじゃ」

「魔族って酒に強いのか?」

(われ)はわからぬ、魔族と飲んだ事がないからの」

「こんなに気兼ねなく飲んだことなんてないの、どこかの偉いさんとか、それこそお父様やお母様、貴族が居る前でしか飲んだことが無い。気兼ねなくなんて初めてよ!」

 一応、他人の家なので気兼ねはしてもらいたいんだがね。

「これが、王女様の素の部分って奴ですか?」

「そう、私の素の部分。見たことある人っているのかしら? ここっていいわね。住んじゃっていい?」

「俺の本音としては面倒なのは嫌なので止めて欲しい。ラウラさんにも言ったが、せめて親の許可を貰ってくれ。ここに住むのは俺の伴侶になる人って事だからね」

「ちびっこも居るじゃない?」

「サラたちは別の使用人の家に住んでいる。アイナは成人したら妻にするよ? エリスはカリーネと結婚すれば家族だ。だから、一緒に住んでいる」

「あなたの家族になる予定の人たちが住んでいるのね」

「そういう事」

「だったら、私もあなたの妻になる」

「へ?」

「だって、あなた強いじゃない。お父様をぶっ飛ばせるぐらい強いでしょ?」

「魔族の王って魔王?」

「そう、魔王」

「魔王って強いよね」

「そう、強い」

「戦ってみるかなぁ」

 この世で強いと言われる者と戦う事の方に興味を持った。


 すると、二階から声が聞こえた。

「イングリッド殿下、それはずるい。マサヨシ殿には私の父上にも勝ってもらわないといけないのに」

 女騎士がリビングに降りてくる。

「ん? どういう事?」

「ここで住むためには親の許可が要ります」

「おう『貰ってこい』と言ったからな」

「許可をもらうためには、その殿方が父上に勝つ必要があります」

「えっ、お前んち行かないといけないの?」

「来ていただけないと、私はここに住むことはできません。駆け落ちと言う手もありますが……」

「正々堂々戦って手に入れたほうが後腐れ無いか……でも、どっちにしろ面倒だよね」

 女騎士がチラチラと俺を見てくる。

「住みたいの?」

 女騎士はコクリと頷く。

「どうせ行くんじゃろ? 女には弱いくせに」

 リードラがニヤリと笑った。

 まあ、そうなるよな。

「んー、わかった、両方行くよ」

 頭をボリボリと掻く。

「本当?」

「本当ですか?」

 王女様、女騎士共に喜ぶ。

「どうせ行くにしろ、王女様の暗殺関係解決してからだからな、どっちから先とか文句は言わないように」

「わかりました。マサヨシさん」

「ありがとうマサヨシ殿」

 面倒ごとが増えた……。


「さて、王女様の……」

「ダメです、イングリッドです。呼び捨てです。父上以外の人に呼び捨てにされるのが夢だったんです。みんな『殿下』とか『様』と呼んでよそよそしいのです」

 こいつ潰れないだけで、酔っぱらい継続中? 

 そりゃそうだろう、王女を呼び捨てにできるやつなんて、そうそう居ない。

「本当に呼び捨てでいいのか? 揉め事にならない?」

「知りません、でもマサヨシさんなら何とかしそうです」

 うわっ、投げられた……。

「だったら、私も……ラウラと……」

「呼び捨て?」

 女騎士がコクリと頷く。

「ラウラ」

 ピクリと反応するラウラ。

「ラウラ」

 再びピクリ。

「お前、願望あっただろ……呼び捨て」

「私も『どの』とか呼ばれることが多かったので、呼び捨てしてほしかった」

 んー、仕方ないねぇ。

「二人とも呼び捨てな。イングリッド、ラウラで行くから文句言うなよ」

「「はい」」

 という事で、呼び捨てが決まった。

 これでいいのか? 


「さて、オセーレに向かうんだが……」

 寝息が聞こえてくる。

 あぁ、イングリッドが寝たねぇ。まあ、対策の話は起きてからでも問題ないかな。多分だけど……。

「ラウラ、少し待っていてくれるか? 皆を寝かせてくる」

 ラウラが頷いたので、イングリッドを抱き上げ立ち上がった。そしてリードラへ

「リードラも少し横になれ。昨日も寝てないだろ?」

 と言った。

「そうじゃのう、ラウラと(ぬし)に何かありそうじゃが、横になるかの。」

 そう言って俺と一緒に二階へ上がる。

「何かありそうか?」

「王都オウルへ行くつもりじゃろ?」

 バレてますね。

 部屋へ向かい、イングリッドを寝かせると。リビングへ戻る。

 そして、マール、クリス、フィナの順に部屋へ連れて行き、布団に寝かせた。

 ついでに二日酔いにならないよう魔法もかけておく。

 さて、ラウラの家に行きますかね。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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