表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
126/328

ゴブリン討伐完了。

誤字脱字の指摘、助かっております。

 リードラが飛び出しゴブリンたちにボディーブローを当てると見事に穴が開く。

 リードラの拳は腹部の途中で止まり腕は突き抜けない。穴の入口が小さく出口が大きいので衝撃が広がったのがよくわかる。

「すげえな、リードラ」

「一瞬で衝撃が広がるように腹の途中で拳を止めるのがミソじゃ」

 そう言って、瞬時に移動し集団の外側からゴブリンを葬っていく。一撃一殺である。

 腹に穴が開き転がるゴブリンたち。

 しかし、俺の前に来るよりはリードラの前に行くゴブリンが多いのは、リードラのほうが弱いと思われているのかな?

 弱いとはいえ、ステータスは奴隷一の強さなんだが……。ガントレットも装備して強化されてるし……。

 俺も目の前に来るゴブリンを地割れの剣で斬り倒していった。

 精霊たちもそれぞれに攻撃を行い、それぞれに俺たちを守ってくれる。

 自動攻撃、自動防御って便利だよね。

 レーダーの中の光点の塊は徐々に小さくなり見た目にごっついゴブリンしか残らなくなった。

 暫くするとリードラにビビりだしたのか俺の方を攻撃してくる。

 俺の方が強いはずなんだが地味なのかね。痩せた俺って結構筋肉質なんだが線が細い。弱く見えるようだ。

 目の前に現れたゴブリンを横一文字に切断し、強さを見せつけた。


 するとゴブリンたちの表情が変わる。俺でもリードラでも結果が同じことに気付いたのだろう。恐怖から逃げ始めたのだ。ただ、俺たちは逃がさない。普通のゴブリンが逃げるのも面倒だが、上位種が一匹逃げると後々が面倒なのだ。メスが居なくても女性を攫いゴブリンは増殖する。それも上位種であるほど上位種に近いゴブリンが増えるのである。

 躊躇なくゴブリンたちを葬る。見えるゴブリンを機械的に消し去っていく。

 そして、(かしら)のゴブリンしか居なくなった。

 館らしき建物の前に立つ大きなゴブリン。守るべきものなのだろう。捨てずにいることが(かしら)としての責任なのかもしれない。

 守るべきものを守るために俺たちに牙を剥き威圧をしてきた。俺が本気の威圧を返すとゴブリンの足が震えだす。ただそれでも逃げない。

「悪いな、お前はお前の群れを守るために街を襲ったのかもしれないが、俺は町を守らなきゃいけないんだ」

 そう言うと一刀でゴブリンの(かしら)の首を刎ねる。

 首が転がり首から緑色の血が噴き出す。ただ、ゴブリンの(かしら)はそのまま立っていた。館を守るように……。

 そしてレーダーから(かしら)の光点が消えた。


 館には黄色い光点が数十。そして白い光点が二十ほど。

 俺はリードラを連れ館に入る。木を組み合わせた建物ではあるが、屋根もあり床もある。

 そこにはゴブリンの子供が居た。中には「シャー」っと威嚇するやつも居るが、ほとんどが俺とリードラを見て怯えている。

 そしてそれを産むための女性たち。申し訳程度の服。髪の毛はボサボサ、目は抉られ手足は縛られ芋虫のようになって柱に繋がれていた。特長のある耳や尻尾などから色々な人種が転がされているようだった。

「助けに来たよ」

 俺が一人にそう言うと、

「あーあー」

 と言葉にならない声がでる。見ると舌が無い。


(ぬし)よ辛そうじゃな」

「そうだな、そんな気はしていたんだ。ゴブリンの子供たちが居て、ひどい目に遭っている女性が居るだろうってことはわかっていたんだ」

(ぬし)は欲張りじゃな。ステータスのせいかの? 何もかもに手が届くと考えておる。それは無理じゃ。どんなにステータスがあって、どんなに頑張っても届かぬものは届かん」

 リードラは俺に近寄ると大きな体で俺を包む。

「ゴブリンの子まで殺さなくてもいいと考えておるのではないか? ただ、ゴブリンの子を助けたとしても元来の残虐性から大きくなれば人を襲うじゃろう。そして増殖し大群で町を襲う。今回と一緒じゃ。人を守るためには殺しておかねばならぬ。それにな、(ぬし)が助けたあの女たちは外見は元に戻るじゃろう。アイナがフルヒールを唱えれば欠損など回復するからの。ただ、記憶を消さぬ限りこの地でゴブリンを産み続けたことは忘れられまい。それを引きずっていかねばならぬのだ。両方万事解決などないのじゃ」

 俺はリードラから離れゴブリンの子供たちに近寄るとためらわず剣を振るい殺した。

「女性たちだけでも何とかしないとな」

 リードラにそう言うと

「その力が(ぬし)にはある。ただ、候補を増やすという意味じゃないがの」

 ニヤリと笑う。

 わざとだな、笑わせようとしたのか? 年の功って奴かね。口には出せないが。

「まあ、何か考えるよ……落としどころをね」

 そう言って女性たちの拘束を解いた。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ