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ダンジョン攻略12

誤字脱字の指摘ありがとうございます。

 カリーネとエリスに見送られダンジョン四十階に向かう。

 とりあえず、四十階で精霊の弓が入った金箱とダークエルフの弓が入った宝箱を出しクリスとマールに開錠してもらった。

 おお、精霊の弓は目立つねぇ金ぴかの弓だ。ダークエルフの弓は逆に目立たない黒一色だった。

「クリスが精霊の弓、マールはダークエルフの弓でいいかな?」

「これは魔法の弓、矢が要らないタイプみたいね」

「クリス、矢が要らないって?」

「魔力を矢にして撃つの、だから基本矢が要らない。ちゃんと矢をつがえて撃つこともできるけどね」

「要はいい弓でいいんだな」

「そう、最高の弓よ!」

 興奮気味のクリス。弓を肩にかける。

「マサヨシ様! 私の弓は矢をつがえる必要がありますが手にしっくりくるいい弓です。ただ、何か付与されているかどうかまではわかりません」

「そうか、まあ使ってみて変だったら言ってよ」

 俺はそう言うと収納カバンの中から矢筒に入った矢を渡す。

「はい、わかりました。でもせっかくマサヨシ様に貰ったものです。使いこなしてみますね」

 マールは弓と矢を愛おしそうに抱きかかえていた。


 俺たちは弓装備を追加し四十一階に降りると夜目が利かなければ周囲がわからないぐらい暗い。アイナやクリスは、目の前にいる俺たちがうっすらと見えている程度じゃないだろうか。さすがにこのままじゃ足元さえ見えなくて危険か……。レーダーを見たが今のところ近くに魔物は居なかった。

 俺は魔石を出しその中に照明(あえて白熱電球)をイメージしてプログラムを作り、魔力とともに流し込む。すると魔石が懐かしい赤い光でぼうっと光り出す。

「どうするのですか?」

 フィナが聞いてきた。

「周囲を照らすランタン的な物を作った。目立つかもしれないが夜目が利かないクリスやアイナが困ると思ってな。敵に見つかってもこのメンバーなら何とかなるだろう?」

「そうですね、皆が居れば何とかなります。マサヨシ様も居ますし大丈夫です」

 そうフィナが答えた後、俺はパーティーの中心にいるアイナを呼んだ。

「ちょっと、アイナ来てくれるか?」

「ん?」

 そう言うとアイナが俺のそばに来る。

「ちょっとそれ貸して」

 俺は法王の杖を受け取り、その先に魔石を取り付ける。

「これでたいまつ替わりができた。アイナが目立ってしまうが俺が守るから安心しろ」

「ん、信用してる」

 嬉しいことを言ってくれるアイナだった。


 俺は精霊たちに周囲警戒を依頼する。

「マサヨシ、それ何?」

「ん? クリスどうした」

「マサヨシ様、何か増えているみたいなんですが……」

「ん? マールどうした?」

「「精霊がいる(います)!」」

 二人が指差す。

 見られている水の精霊も不思議な顔をしている。

「ああ、こいつ? 川で拾った」

 イェイって感じでサムズアップする水の精霊。

「魔力吸わせたらついてきちゃってな」

「何その子犬を拾ってきたみたいな感じは……」

 クリスがあきれていた。

「でも、精霊に好かれるのはエルフとして羨ましいですね。尊敬します」

 マールが言う。

 んーたまたまなんだがな……。


「マサヨシ、ゴーストみたいなのが多い、気を付けて」

 まともに霊が見えるのはアイナぐらいだ。だから気づくと教えてくれる。

「おう、アイナありがとな」

 俺は装備を聖騎士の剣に変更した。

 アイナは霊的な気配を感じるのかしきりに周りを気にする。

「マサヨシ、ターンアンデッドしておく」

「おう、アイナよろしく」

 呪文を唱える澄んだ小さな声が聞こえると赤い光点がほとんど消えた。どんだけだよ、聖女特性。

 対アンデッドにはアイナは欠かせない。

 アンデッド系の魔物が多いのか? ここのダンジョンマスターはリッチ。ラスボス近くだといいんだがね。

 アイナがターンアンデッドを唱えた後に残った魔物を狩るパターンで各階を攻略していく。残るモンスターも五メートルあるような蝙蝠や十メートルぐらいあるフクロウ。目は血走って狂ったように攻撃してくる人型の魔物、上に帰れなかった元冒険者の末路なのかもしれない。ただ、俺たちが見るのは息絶えた魔物の姿ばかり。

「ヒュン」

 という音とともに目に見えない何かが飛び出した。マールの攻撃だ。漆黒の弓から飛び出る矢は透明化の魔法がかかるようで目に見えなくなる。弓弦の音がすれば魔物が倒れている状況が続くのだ、夜目が利くマールは魔物が前衛に届く前に急所に当て魔物を倒す。前衛のフィナとリードラまで届くことはなく暇そうにしているのだった。

「気に入ったか、その弓」

俺が聞くと、

「はい、マサヨシ様にもらった弓。最高です」

そう言ってマールは黒い弓を抱き、撫でながらニヤリとした。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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