家に帰ると
俺はダンジョン入り口横魔法陣に戻り、そこから直接リビングへ例の扉で動く。リビングに戻ると皆がくつろいでいる?
帰った瞬間、結構な視線を感じる。怒ったような目だった。
「ただいま……」
俺が洗浄魔法で体を洗っていると、
「マサヨシ、お帰り」
アイナがやってきた。
「何かあったのか?」
「多分、朝、放って行かれたから拗ねてる」
「そういうこと? でもなぁ、あいつら、腰抜かしてたぞ? 行っても戦えないだろ?」
「そうじゃなくて、何も言わずにダンジョンに行ったのが気に入らないみたい」
「へっ?寝てるのを起こせって?マールでさえいつもの時間に起きなかったんだぞ?」
その言葉にピクリとマールが反応する。
「私は起きてたんです。動けなかったんです。マサヨシ様、あんな指で触られたら、あんなにならないほうがおかしいんです」
頷く成人女性たち。
「確かにすごかったよな、クリスなんて気を失うし……」
ボッという音が聞こえそうなぐらいクリスが赤くなる。
「仕方ないでしょ、あの振動でずっと攻められるんだから。気を失っても仕方ないわ。結局昼間までまともに動けなかったんだから」
「だったら部屋に行くだけ無駄じゃないか。どうせ起きてなかったんだろ?」
「それは否定できない……。でもやっぱり『行ってくる』って言ってほしいでしょ?」
コクコクと頷く成人女性たち。
「やっぱりご主人様に来てほしかったんです」
悔しげにマールが言う。
「それは悪かった、疲れてると思ってそっとしてたんだがな」
「でも、やっぱり顔を見たいんです。『大丈夫か?』って言葉を聞きたいんです。心配してくれてるってことが嬉しいんです。だから私たちが動けない時でも出かけるときは声をかけてください」
マールが拳を作って語る。
同意する成人女性たち。
押される俺。
「出かけるときは声かけるようにします」
結局負けた。
ん?ポーッとしているカリーネ。
「でも凄かったぁ……。私も今までいろんなの経験したことがあるけど、あんなのがあるなんて……結局朝から動けず仕舞い、結局ギルドを休んじゃったわ」
いろんなのって何やったことあるの?
「コレ未成年に聞かせていいのか? エリスも居るぞ?」
「いいのよ、そこのところはエリスにも話してあるから」
俺にはそういうのは無理かなぁ。
「私も知ってる。私は体が大人になっていないだけ」
アイナが胸を張る。
「よく知ってるな」
「クリスが教えてくれた」
「バッバカ、言わないの!」
クリスが焦る焦る。
「おーまーえーなー!」
クリスを睨む。
「だって、そういう教育も必要でしょ? みんな今日は動けなかったから皆で色々アイナやエリスちゃんに教えてたのよ」
クリスが反論してきた。
「ああ、俺が居ないからそういう日になったわけね」
「そういうこと」
「許してやろう」
クリスはホッとする。
ん?リードラが前に出てくる。
「我も勉強になったぞ? 人同士でどうすれば子を成せるのかは知らなかったのじゃ。お陰でいつでもどこでも大丈夫じゃ!」
自信満々で言うリードラ。でもな場所は考えよう。
「私は方法を知ってはいましたが、あんなことをしたり、こんな風にしたりするのですね。楽しみです……」
顔を赤くして言うフィナ。
「俺、触っただけだが……何で前戯や体位のことまで?」
さっと目を背けるクリスとカリーネ。
「いくら教育とはいえ、やりすぎだぞ?」
「確かにやり過ぎた感はあるわね。でも言い出したのはクリスよ? 『男を喜ばせるのってぇ』って、言い出したの」
「カリーネだって頷いていたじゃない!」
「まあ、本当のことだしね。必要でしょ」
「未成年組は?」
「そこまでは言ってないわよ。大人だけ」
カリーネが言った。
良いのか悪いのかはわからないが
「だったらいい」
と答えてしまった。




