表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/328

ダンジョン攻略11

誤字脱字の指摘、助かっております。

 相変わらず真っ暗な世界、魔物は黄色の三本角のサイクロプス。接敵と同時に地割れの剣で一刀にて切り伏せる。敵の強さが分からない。ここであいつらが居たら質問するとかできるんだが、精霊に聞いてもな……。

 そんなことないって? 教えられるって?

 精霊たちがちょっと怒っていた。

「お前らが居るのはわかってるけど、わいわい言う声は欲しいと思う。多分慣れてしまっているんだよ、だからやっぱり一人は寂しい」

 そう独り言を言うと、剣を背負いダンジョンを駆けだす。


 未踏の地とは言えやることは変わらない。

 魔物を切って宝箱を回収するのみ。

 ただ、未踏というのが理由かはわからないが、やっとダークエルフの弓という種族指定の武器の入った宝箱が見つかる。

「これは、マールのかな? あと、欲を言えばクリスのも欲しい」

 その後の宝箱にはオリハルコンやミスリルの剣が入っているらしいが魔法がかかっている物ではなかった。これらはドランさんち行きだな。お金の額も増加中……。と言ってもクリスとマールの開錠能力次第である。

 結局苦もなく四十階のボス部屋まで到着する。マップに映るのは光点一つ。ここも一対一での戦闘になるようだ。


 扉を開け中に入ると予想通りの魔物が居た、サイクロプスの上位種のメス。名前は知らん。後で現物見せてクリスにでも訊くかな? 茶色い皮膚のボディービルダーのようなムキムキの体にビキニっぽい服、動くたびに筋肉がピクピクと動く。武器は身長ほどある大剣。

「んー趣味じゃない。興奮しない。もう少し柔らかい部分があってもいいよね」

 そんなことを言っていると、火と水の精霊が胸を強調する。

「胸は好きだけど、やっぱりバランスは重要だぞ? 大きければいいってわけでもない」

「本当?」って感じでジト目で見られる。

「いや、本当だぞ……多分……」


 無視されているのにイライラしたのかサイクロプス(メス)が走ってきた。鍛えられているせいか動きがいい。大剣を振り上げ俺に切りつけてきたので試しに地割れの剣で受けてみた。

 俺はすんなり受け止めたが

 ベコン

 と地面が凹む。

「うーん、こんなもんか……あの筋肉だったからちょっと期待したけどそうでも無い。弱っ」

 声が理解できたのかサイクロプス(メス)は甲高い叫び声をあげながら半狂乱に俺に切りつけてきた。しかし、俺はそれを捌きながら皆へのお土産のことを考える。

「肉は美味いのかねぇ。前回のオーククイーンは美味いって聞いたけど。このサイクロプスの感じじゃ赤身の筋張った肉でしかなさそうだよね。肉の質が良ければいいけど」

 上段からの大振りの攻撃を避けるとサイクロプス(メス)はつんのめって倒れる。ちょうど俺の目に来た首を上段から切りつけた。

 ポーンポーンと跳ねながら転がる首、切断面からは大量の血が噴き出し辺りは血の海になった。


 体の前にジャイアントエイプクイーンの時と同じく金色の宝箱が出てきた。

「レアものかね?」

 そう言って宝箱を収納カバンに回収すると精霊の弓の表示が出る。

「おっと、やはりレアもの? それも弓。そういえば精霊装備は『エルフが使える装備では最上位よ!』って言ってたな」

 欲しいと思っていた装備が出たので思わずニヤリとしてしまう。

「じゃあ、サイクロプス(メス)も回収してと……ついでに剣もいただくか」

 残った体と頭と剣を回収した。

「さあ、どうするか」

 時計を見ると十七時過ぎ。忍者になった気分を楽しみ過ぎて時間を忘れていたようだ。集中しすぎて昼飯も食っていない。何も食べてないことに気が付くと急に腹が減ってくる。

「もうあいつらも元気になってるかな? 一人で食うよりはみんなと一緒に食う飯のほうが美味いよな」

 要は寂しいのだが、理由をつけて魔法陣から入口に戻った。



ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ