ジュカブ、激怒する
リックはスケベな妖怪ハンターです。
大神官のサーギナの反則技とも言える行動で、コーミとユーミの母親と妹が救出されました。
そして、四人が揃ったお陰で、光の力が集結し、悪魔七体をたちどころに浄化してしまいました。
リックとベカサク帝国の皇帝のケスウヨリも消えかけたのは蒸し返してはいけないと思う地の文です。
「蒸し返してるにゃん!」
「思い出さないでくれ!」
リックとケスウヨリはそれぞれ地の文に抗議しました。
「そうなんですかあ」
それでも美人幼妻の遊魔は笑顔全開です。
「それにしても、一体どうやって母と妹を助けてくださったのですか?」
不思議に思ったコーミがサーギナに訊きました。すると何故かサーギナは顔を赤らめ、
「言いたくないよ、恥ずかしいから」
おかしな事を言いました。
「え? どういう事ですか?」
ユーミが尋ねました。するともじもじしていたサーギナが、
「おしっこがしたくなって、場所を探していたら、大きな木の切り株に扉がついていたので、お手洗いだと思って開けたら、そこに二人いたんだよ」
確かに恥ずかしい話でした。コーミとユーミは唖然としています。
「あ、もう我慢できない!」
サーギナが草むらに駆け込みました。
「サーギナしゃん、僕が見張ってあげるにゃん」
リックがスケベな顔になって追いかけました。
「お前様!」
すかさず遊魔が真空飛び膝蹴りで仕留めました。
「おのれええええ!」
その頃、豚が絶叫していました。
「豚ではない! 余は魔王ジュカブじゃ!」
魔王は地の文に切れましたが、すでに切れていました。
精鋭部隊の悪魔七体が呆気なく倒されたばかりではなく、光の一族であるコーミとユーミの母親と妹を解放されてしまったからです。
(やはり、サーギナという小娘、面妖だ。一番警戒すべきだな)
額に幾筋もの血管を浮き上がらせ、両の拳を震わせるジュカブです。
クライマックスが近いと思う地の文です。




