表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/114

悪魔の選択

 リックはスケベな妖怪ハンターです。


 魔王ジュカブが送り込んだのは、魔王精鋭部隊でした。


 それは七体の悪魔でした。


 めでたし、めでたし。


「こらあ!」


 唐突にボケて、話を締めようとした地の文に悪魔が切れました。


「我が名はブリーザー。氷の地獄の王だ」


 一番大きい悪魔がドヤ顔で言いました。


「そうなんですかあ」


 遊魔は笑顔全開で応じました。


「少しは緊張感を持て!」


 全く怖がっていない遊魔に切れるブリーザーです。


「放て!」


 その隙を突いて、ベカサク帝国の皇帝であるケスウヨリが部隊に弓矢を射させました。


「無駄よ!」


 ブリーザーは何もせず、ニヤリとしました。次の瞬間、全ての矢が凍りつき、地面に落ちてしまいました。


(さっきまでの連中とレベルが違い過ぎるにゃん)


 それを見たリックは漏らしそうです。


「凍てつけ!」


 ブリーザーが言うと、皇帝の部隊が全員凍りつきました。


「何と!?」


 仰天して目を見開くケスウヨリです。


「まずいわね、お姉様。魔王は本気よ」


 美人姉妹の妹のユーミが悪魔達を睨みながら言いました。


「そのようね」


 姉のコーミも悪魔達から目を離さないで応じました。


「大丈夫にゃん! 氷には炎にゃん!」


 リックがふっと笑って進み出ました。そして、


「燃え尽きるにゃん!」


 ブリーザーを指し示すと、その指先から、情けない程度の勢いの火花が飛び散りました。


「誰が芥川賞受賞作だ!」


 自虐的に切れるリックです。遊魔とサーギナ以外の味方が唖然としました。


(魔王の結界で魔力が制御されているのを忘れていたにゃん!)


 リックは嫌な汗を大量に掻いて焦りました。


「お前達に選ばせてやろう。この場で凍りつくか、魔王様に降伏して世界征服に手を貸すか? どちらにする?」


 ブリーザーは狡猾な笑みを浮かべて尋ねました。


(どっちを選んでも、よくない未来が待ってる気がするにゃん)


 リックは顔を引きつらせてブリーザーに愛想笑いをしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ