サーギナの底力
リックはスケベな妖怪ハンターです。
大神官にレベルアップしたサーギナの治癒の気合を受けたゾンビウルフはのたうち回りました。
それを見て、他のゾンビウルフが尻込みしています。
「ぐがああ!」
気合を受けたゾンビウルフは断末魔のような叫び声をあげると、スウッと元の狼人間に戻りました。
しかも、尻尾を千切れんばかりに振って、サーギナに戯れついています。
言葉も出ない程驚くザースです。
コーミとユーミの美人姉妹も、ベカサク帝国の皇帝ケスウヨリとその部隊も唖然としています。
「そうなんですかあ」
美人幼妻の遊魔は笑顔全開で応じました。
(サーギナしゃん、ますます色っぽくなってきたにゃん)
外道なリックはエロい事しか考えていません。
「そんな事ないにゃん!」
核心に触れてしまった地の文に切れるリックです。
「元気になあれ!」
サーギナがたくさんの気合を放ち、全てのゾンビウルフに当てました。
ゾンビウルフはワーウルフに戻ると、サーギナに戯れつきました。
(治癒の呪文はゾンビには破砕の呪文のはず。何故、生き返ったのだ?)
ザースは全身から嫌な汗を大量に流しながら、サーギナを睨みました。
「呪文を間違えて、復活の呪文を唱えちゃった!」
テヘッと笑うサーギナを見て、更に唖然とするザースです。
「それにしても尋常ではない。あれだけの数のワーウルフに復活の呪文を使えるとは……」
ユーミは畏敬の眼差しでサーギナを見ました。
「確かに」
同意するコーミです。
「ちょっとどいててね」
サーギナはワーウルフ達をおとなしくさせると、ザースを見ました。
「おイタが過ぎる子はお仕置きだよ」
そう言って、サッと大幣を取り出すサーギナです。
(攻撃呪文は魔王様の結界内では封じられる)
余裕の笑みを浮かべるザースですが、
「えい!」
大幣がビュンと伸び、ザースに当たって遥か彼方に飛ばしてしまいました。




