ザースの反撃
リックはスケベな妖怪ハンターです。
倒したはずの狼人間が起き上がったので、リック達は仰天していました。
(物語的には凄くまずい状況だけど、僕的にはホッとしたにゃん)
ベカサク帝国の皇帝であるケスウヨリにいいとこ取りをされたと思っている性格に問題があるリックは思いました。
「性格に問題はないにゃん!」
そうでしたね。性格には問題はありませんが、性癖に問題がありましたね。
「うるさいにゃん! 余計なお世話にゃん!」
一応は自分のアレな部分を自覚しているらしいリックです。
「すでに命を失っている其奴らには、銀の弓矢は効かぬぞ」
勢いを盛り返したザースが高笑いをして言いました。
「おのれ!」
ケスウヨリは歯軋りして悔しがりました。
「やってしまえ!」
ザースは目を血走らせて命じました。
「ガアア!」
ゾンビウルフ達が雄叫びをあげて、リック達に襲いかかりました。
「はあ!」
美人幼妻の遊魔が真空飛び膝蹴りと踵落としで倒しますが、すぐに起き上がってきてしまいます。
「死者はあるべき場所に去れ!」
コーミとユーミの美人姉妹が光の呪文を唱えましたが、
「鐚鐚鵐!」
ザースがそれ以上に強力な闇の呪文を唱えて相殺してしまいました。
(魔王の結界が呪文を弱めているせいか?)
美人姉妹も歯軋りしました。
リック達は次第にゾンビウルフ達に追い詰められていきました。
(あれ、いつの間にか、サーギナしゃんがいないにゃん)
リックは賢者のサーギナが姿を消している事に気づきました。
ザースも同じく気づいていました。
(一番血祭りにあげたいあの女がいないではないか!)
慌てて見回すザースです。
「お待たせ! 大神官にレベルアップしました!」
衣冠束帯という日本の神職の格好をしたサーギナが登場しました。
唖然とする遊魔以外の一同です。
「そうなんですかあ」
遊魔は笑顔全開で応じました。




