ザースのリベンジ
リックはスケベな妖怪ハンターです。
賢者のサーギナに一度敗れた魔王の配下のザースがリベンジに燃えて再登場です。
でも、すぐに再退場になると思う地の文です。
「うるさい!」
正確な推測をしたはずの地の文に切れるザースです。
「もう忘れたのか? お前に呪詛を返されたザースだよ!」
ザースは怒り心頭で怒鳴りました。サーギナはポンと手を叩き、
「そう言えばいたね。弱過ぎて忘れてた」
テヘッと額を叩いて舌を出しました。
「愚弄しおってえ!」
ザースは頭の血管が切れそうです。
「でもさ、自分の呪詛って自分に効くの?」
サーギナは素朴な疑問をしました。
「え?」
ハッとなるザースです。
後ろで聞いていたコーミとユーミの美人姉妹もヒソヒソと話しています。
(言われてみれば、私の呪詛は魔王様や私に逆らうと発動するものだ。だとしたら、自分には効かないのか?)
今更ながら、間抜けな事に気づくとんまです。
「またうるさい!」
正しい指摘をした地の文に理不尽に切れるザースです。まるで○○みたいです。
問題発言を自ら自粛する地の文です。
「今度はこの前のような訳にはいかぬ!」
ザースが言うと、岩場や木の陰から無数のモンスターが現れました。
「魔王の結界の中では気配も感じぬというのか?」
ユーミが歯軋りしました。
「大丈夫にゃん! 僕が全部やっつけてやるにゃん!」
自信満々でリックが言い、紅蓮の炎を出そうとしましたが、線香花火クラスのものしか出ません。
驚愕するリックにコーミが、
「上位魔法も魔王の結界で制御されてしまうのです」
悲しそうに告げました。
「そうにゃんですか」
しばらくぶりに某お師匠様の口癖で応じるリックです。
ザースは高笑いして、
「魔法が使えぬ貴様らの負けはもう決まりだ。何か言い残す事はないか?」
するとサーギナが、
「おじいちゃんて呼んでもいい?」
ウルウルした目で言ったので、ドキッとしてまうスケベなザースです。




