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ユーミ、降参する

 リックはスケベな妖怪ハンターです。


 そのせいで、魔王の配下のユーミに操られ、仲間である賢者のサーギナ、ベカサク帝国の皇妃のコーミに襲いかかりました。


 いくら叩きのめされても立ち上がるあしたのジ○ー的なリックでしたが、必殺技の子猫を繰り出したら、何故か子猫はユーミに襲いかかり、身包みを剥がしてしまいました。


「だめえ、そこはだめえ……」


 悶絶しているユーミですが、状況は大人の事情でお伝えする事ができない地の文です。


「にゃん?」


 ユーミが子猫に攻撃されたお陰で、リックが我に返りました。


「僕は一体……?」


 何も覚えていないフリをしてその場をしのごうとする外道です。


「ホントに何も覚えていないんだにゃん!」


 そして、子猫達がユーミを追い詰めているのに気づきました。


「どうだ、参ったか? これが僕の作戦だったにゃん」


 どうしてそうなったのか、全く把握していないのに想定内のフリをする某○エモンみたいなリックです。


「さすがです、お前様!」


 遊魔が真っ直ぐな目をキラキラさせてリックを絶賛しました。


 バツが悪くなるリックです。


「お願い、もう許して、降参しますから……」


 身体をブルブル震わせて懇願するユーミを見て、


「リック様、許してあげてください。酷い仕打ちをされた者ですが、我が妹です故」


 コーミが涙ぐんで言ったので、リックはニヘラッとして、


「わかりましたにゃん」


 子猫を引き上げさせ、子猫は遊魔の胸当てに戻りました。


「子猫ちゃん達は、リック様の敵にのみ攻撃するのですね。だから、リック様が操られていても、私達を攻撃する事はなかった」


 コーミが涙を拭いながら、過程を解説してくれました。


(知らなかったにゃん)


 苦笑いをするリックです。


(多分本当は、ユーミしゃんが一番エッチな身体をしていたからだと思うにゃん)


 自分の分身の子猫の特性をよく把握しているリックは思いました。


 正解だと思う地の文です。

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