遊魔、国家反逆罪を犯す?
リックはスケベな妖怪ハンターですが、地下牢に閉じ込められているので、全然活躍できません。
「今頑張って脱出しようとしているにゃん!」
経過報告をした地の文に抗議の声を上げるリックです。
「おのれ、この猫女め、国王に向かって暴力を振るうとは不届き千万!」
遊魔の真空飛び膝蹴りを食らったにも関わらず、復活した結構頑丈な国王ネールです。
「陛下、そのお方は猫神様ですぞ」
宰相のザースが諌めましたが、ネールは切れてしまっており、そんな事はどうでもよくなっていました。
「黙れ、ザース!」
ネールは腰に下げた刀を抜きました。
「斬り捨ててやる!」
そう言って遊魔を見た時でした。
「ううん……」
遊魔が寝返りを打ちました。すると、胸当てから豊かな谷間がチラッと見え、ミニスカートもススッと捲れ上がり、太腿の奥がニュッと見えました。
「おおお!」
怒りの思いよりもスケベ心が勝ってしまったネールは、刀を納め、遊魔の嫌らしいスタイルに見入ってしまいます。
ザースもネールを諌めるのを忘れて、一緒に見入っています。
「も、もう一度だけ、試してみるぞ、ザース」
「はい、お気をつけて」
スケベな二人は一致団結し、遊魔の胸当てとミニスカートに手を伸ばしました。
その時でした。
「お前様!」
また遊魔が寝言を言ったので、ビクンとして飛び退く国王と宰相です。
「おや?」
しかし、遊魔はもう一つの必殺技である踵落としを繰り出す事なく、姿を消してしまいました。
「い、如何なる事だ?」
ネールとザースは部屋のあちこちを見回しましたが、遊魔はどこにもいませんでした。
「猫神様がお怒りなのですよ、陛下! 斬り捨てるなどとおっしゃったから!」
いきなり国王をディスる宰相です。国王はビビり出して、
「な、何を申すか、ザース! 其方の思い込みじゃ!」
そんな身勝手な男二人を部屋の隅の柱の陰から一匹の三毛猫が見ていました。




