コーミの敗北
リックはスケベな妖怪ハンターです。
ベカサク帝国の皇妃であり、魔王ジュカブの配下でもあったコーミの危機を感じた猫神の魔遊はリックと賢者のサーギナを伴い、コーミ救援に向かっていました。
「残念だったわねえ。付け焼刃の光の力など、今の私には全く通用しないわよ」
コーミの実の妹であり、魔王ジュカブの配下でもあるユーミは高笑いしました。
「く……」
コーミは歯軋りしました。
(ユーミ、どうしてそこまで魔王に取り込まれてしまったの? 私達は魔王の隙を突くためにそれぞれが動いていたはずでしょう?)
声に出して言うつもりでしたが、言っても無駄だと思ったコーミはその言葉を飲み込み、
「ならば、どうするつもり?」
意を決して尋ねました。ユーミはフッと笑い、
「知れた事。母様と妹のサーミを助けるためにあんたを殺す!」
凶悪な顔になり、コーミを指差しました。コーミはその顔に魔王の醜い豚顔が重なるのを見ました。
「余は豚ではない!」
地の文の表現にジュカブが切れました。
「せめてもの情けで、一瞬で殺してあげるわ、お姉様。安心して地獄に堕ちなさい」
ユーミは狡猾な笑みを浮かべ、周囲の妖気を更に濃くしていきました。
「ユーミ……」
コーミは泣いていました。そして同時に死を覚悟し、
(私の命で母様とサーミが助かるのなら、それもいい……)
そっと目を閉じました。
「覚悟ができたようね。では、お逝きなさい!」
ユーミがどす黒い妖気を放ちました。
「きゃあ!」
コーミはそれをまともに食らい、後ろに跳ね飛び、地面に叩きつけられました。
「く……」
コーミが呻き声をあげたので、
「結構しぶといわね。次で止めよ!」
ユーミはもう一度妖気を放ちました。
「いやあ!」
コーミは衝撃で衣を剥がされ、下着姿になりました。
ユーミが続けて攻撃をしようとした時、
「そこまでにゃん!」
リックが凛々しい顔で登場しました。




