表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/114

リック、捕まる

 リックはスケベな妖怪ハンターです。


 魔王ジュカブの側室達が監禁されているという館に潜入したリックは、側室達がいる部屋に入りました。


 そこは一見桃源郷に見えましたが、実はスタイル抜群に見えた美女達は、全員巨漢の方々でした。


「あら、いい男」


 巨漢の方々はリックに気づき、一斉にどすこいと接近して来ました。


「部屋を間違えたにゃん、失礼しましたにゃん!」


 慌てて回れ右をし、脱出を試みるリックですが、


「逃がさないわよ!」


 巨漢の方々に取り囲まれてしまいました。まさに蟻の這い出る隙間もない程です。


 周囲の温度と湿度が一気に上昇し、リックは意識が飛びそうです。


「最近、魔王様がお元気がなくて、私達、欲求不満なの。慰めて、お兄さん」


 巨漢の一人が、リックを組み伏せました。


「ひいい!」


 恐怖のあまり、妖術も使えないリックです。




 その頃、美人幼妻に取り憑いた猫神ねこがみ魔遊まゆうと賢者にレベルアップしたサーギナ、そして、ベカサク帝国の皇妃であるコーミは、最果ての大陸へと続く長い吊り橋に辿り着いていました。


 橋の手前には立て看板があり、


「この橋は三人以上で渡らないでください」


 そんな注意書きが書かれています。


「どうしましょうか?」


 コーミが魔遊とサーギナに尋ねました。


「さて、誰と誰が先に行くべきか」


 魔遊が腕組みして思案した時でした。


「お前様!」


 突如として、魔遊の意識を押しのけて、遊魔が目を覚ましました。


「お前様!」


 遊魔はリックのピンチを感じたのか、凄まじい速さで吊り橋を駆け抜けて行きました。


「ああ、ずるい! 私も行く!」


 呑気にあくびをしていたサーギナですが、遊魔が突然走り出したので、


「私の方が速いんだから!」


 妙な対抗意識を燃やして、遊魔を追いかけました。


 そのせいで、吊り橋は大揺れですが、二人共関係ないようです。


「ええと……」


 取り残されてしまったコーミは途方に暮れました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ