ザース、更に卑怯に走る
リックはスケベな妖怪ハンターです。
銀髪の美女であるテンコとイチャイチャしているだけです。
「そんな事はしていないにゃん!」
事実を指摘され、動揺が隠し切れないリックです。
そして出番終了です。
「主役は僕にゃん!」
最後に無理矢理雄叫びを上げるリックです。
賢者のサーギナに論破され、魔王の配下であるザースは歯軋りしています。
(おのれ、小賢しい女め! どうしてくれよう?)
憎らしそうにサーギナを睨むザースですが、どうしてもサーギナの超巨乳に目がいってしまい、嫌らしい顔つきになってしまいます。
(ここは一つ、油断を誘う戦法に切り替えるか)
ザースはサーギナの巨乳を見つめたままで、
「確かに其方の申す通りであるな。私の負けだ」
わざとらしく肩を竦め、頭を下げてみせました。
(此奴、何を企んでおるのか?)
それを訝しそうな目で見つめる美人幼妻の遊魔に取り憑いている猫神の魔遊です。
「案外素直なんだね。少しだけ見直したよ、おじさん」
サーギナは笑顔全開で言いました。
(おじさん……)
その言葉が胸に突き刺さるザースです。でも、どこからどう見ても、おじさんにしか見えないと思う地の文です。
「ううう……」
地の文の容赦のない追い討ちに更に項垂れるザースですが、
(今だ!)
ヘラヘラ笑いながら、自分に背を向けたサーギナを見て動きました。
「呪われよ!」
ザースの右手の人差し指から黒い塊が飛び出し、サーギナに向かいました。
(勝った!)
ガッツポーズをするザースです。
「バーリア!」
ところが、サーギナは更に反則技的な呪文を唱えました。
彼女の前に光のシールドが現れ、ザースの放った呪いを跳ね返して、ザースはそれをもろに食らいました。
「うぎゃああ!」
絶望的な叫び声を上げて、ザースはその場から駆け去りました。
唖然とする魔遊とベカサク帝国の皇妃のコーミです。




