表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/114

卑怯者のザース

 リックはスケベな妖怪ハンターです。


 でも、もうすぐ降板だと思う地の文です。


「やめて欲しいにゃん!」


 全力全開で地の文に懇願するリックです。


 しかし、地の文にはそんな権限はないのです。


「どういう事にゃん!?」


 支離滅裂な地の文に切れるリックです。


 


 リックの前説が終わったところで、続きです。


 イナガンヒ王国の宰相であるザースは、本当は豚の配下です。


『何度も言わせるな! は豚ではない! 魔王ジュカブだ!』


 どこかで律儀に切れるジュカブです。本当は優しい豚のようです。


『だから豚ではない!』


 更に切れるジュカブです。でも、モデルはいないと念押ししておく地の文です。


「どこまでもとぼけた女子おなごだ。だが、もし私の申し出を拒絶するのであれば、コーミの家族がどうなるかわからぬぞ?」


 ザースはニヤリとして告げました。ベカサク帝国の皇妃で、元魔王の配下のコーミは蒼ざめました。


「そんな……」


 コーミはすがるような目でサーギナを見ました。


「脅しは通用しないよ」


 いきなりまともな発言をしたサーギナを驚いて見る美人幼妻の遊魔に取り憑いている猫神ねこがみ魔遊まゆうです。


(この女子、全く理解不能だ……)


 嫌な汗が出る魔遊です。


「何だと? 脅しではないぞ! 言う事を聞かなければ、家族の命はないという事だ」


 ザースは一瞬ビビりましたが、すぐに言い返しました。サーギナは、


「強がり言ってもダメだって」


 肩を竦めて言いました。ザースはムッとして、


「強がりではない! 本当に命はないのだぞ!」


 サーギナは目を細めてザースを見ると、


「あんたの言ってる事、論理が破綻してるよ」


「はあ!?」


 ザースと魔遊は異口同音に叫びました。


「家族を殺したりしたら、コーミさんは言う事を絶対に聞かないでしょ? だったら、殺せないじゃない」


 サーギナの反論にギョッとするザースです。


(全くの正論だ)


 苦笑いする魔遊です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ