ザース、一騎打ちを申し込む
リックはスケベな妖怪ハンターです。
でも今回も登場はありません。そろそろ降板でしょうか?
「やめて欲しいにゃん! このお話は僕が主役にゃん!」
リックが涙を流して地の文に懇願しました。
でも、タイトルを「巨乳賢者サーギナの冒険」にした方が、読者受けすると思う地の文です。
「酷過ぎるにゃん!」
血の涙を流して抗議するリックですが、地の文は全力で無視しました。
あまりにも反則的な方法で、ベカサク帝国の皇妃であるコーミにかけられた呪詛を解いてしまったサーギナ。
それを見て驚天動地のザースは、しばらく固まってしまいました。
「それにしても、其方は全く規格外よの」
美人幼妻の遊魔に取り憑いている猫神の魔遊は、苦笑いして言いました。
「だって、私、賢者だから」
誇らしそうに巨乳を突き出して言うサーギナです。
(この女子、一体何者なのだ?)
魔遊はサーギナの正体を訝しみました。
「ありがとうございました。これで私も堂々とあなた方の味方ができます」
コーミが涙を流して告げました。
「前から味方じゃん。ね?」
サーギナが魔遊に同意を求めました。
「そうじゃの」
魔遊は微笑んで応じ、コーミを見ました.
「ありがとうございます」
コーミは泣き崩れました。
「感動的なシーンに水を注すようですまぬな」
ザースが突然近づいて来て言いました。
「其方はイナガンヒ王国のザース!?」
コーミはハッとして飛び退きました。
「何をしに参った?」
魔遊が目を吊り上げて言いました。ザースはサーギナに目を向けると、
「この女子が私が苦労してかけた呪詛をあっさりと 解いてしまったのでな」
魔遊とコーミはギクッとしてサーギナを見ました。ザースはニヤリとして、
「お前と一騎打ちがしたい。受けてくれような?」
ところがサーギナは、
「嫌だよ、これからお昼ごはん食べるんだから」
唖然とするザースです。




