ザース、コーミへの呪いを発動させる
リックはスケベな妖怪ハンターです。
リックが銀髪の美女のテンコにデレデレしていた頃、イナガンヒ王国の宰相であるザースは、その力で一瞬にして移動しました。
左遷されたようです。
「その異動じゃねえよ!」
地の文のボケにしっかりと突っ込むザースです。
「見つけたぞ、コーミ」
ザースはニヤリとしました。彼は美人幼妻の遊魔、そして、賢者になったサーギナに追いついたベカサク帝国の皇妃のコーミを始末しようとしています。
コーミは魔王の豚に家族を人質に取られ、仕方なく従っている可哀想な境遇です。
『余は豚ではない! ジュカブだ!』
地の文のいつものボケにも通常通り突っ込んでくれる意外に律儀なジュカブです。
(コーミよ、其方は魔王ジュカブ様を裏切った。よって、其方にかけた呪いを発動する)
ザースは何やらブツブツと呟き始めました。空リプでしょうか?
「誰がツイッターだ!」
ザースは地の文のわかりにくいボケにも見事に対応しました。
(終いだ、コーミ。すぐに家族にも後を追わせるぞ、安心せい)
ザースは狡猾な笑みを浮かべました。
「ぐうう!」
その呪いが発動したせいで、突然苦しみ始めるコーミです。
「どうしましたか?」
遊魔が驚いてうずくまったコーミに声をかけました。
「何か拾って食べたんでしょ? ダメだよ、落ちてるものを拾ったりしたら」
呑気なサーギナが見当違いの事を言い出します。
「違います。どうやら、呪いを使われたようです」
尋常ではない汗を顔中から噴き出して律儀に応じるコーミです。
「鈍い? 何の事?」
サーギナはキョトンとしました。貴女が何の事だと思う地の文です。
「これは呪詛だ!」
遊魔と入れ替った猫神の魔遊が叫びました。
「重曹?」
更にボケるサーギナを白い目で見る魔遊です。
「仕方ないなあ。じゃあ、私が治してあげるよ」
肩を竦めて告げるサーギナです。




