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リック、妄想で暴走する

 リックはスケベな妖怪ハンターです。


 岩山に減り込んだリックを助けてくれたのは、テンコという美女でした。


 テンコの話に俄然スケベ心が全開になったリックは、大見得を切って魔王退治を宣言しました。


 必ず最後にエロは勝つだと思う地の文です。


「最終的に勝てば、過程はどうでもいいにゃん!」


 鋭い指摘をした地の文に理不尽な理由で持論を正当化するリックです。


 まるで、○○○○○さんみたいだと思う地の文です。


 不謹慎なので、伏せ字にしました。


「お姉さん達はどこにいるにゃん?」


 リックは食事をすませてからテンコに尋ねました。


「確か、魔王の城のそばにある広大な土地の一角にある屋敷です。そこに側室にされた女性達が監禁されていて、魔王の子を産むために……」


 言葉につまり、涙を浮かべるテンコです。


(ある意味羨ましいにゃん)


 ついつい本音を思ってしまうリックです。テンコに教えましょう。


「ダメ、絶対!」


 某公共機構の標語のような事を言って、地の文に抗議するリックです。


「テンコしゃん、安心するにゃん。僕の他に頼れる仲間がいるにゃん。力を合わせれば、魔王の一人や二人や三人や五人、あっと言う間にやっつけられるにゃん」


 リックはまた気取り顔全開で涙を拭うテンコに言いました。


「リックさん!」


 テンコは感動したのか、リックに抱きつきました。


「テンコしゃん!」


 思わずそのままベッドに押し倒しそうになるリックですが、美人幼妻の遊魔がいきなり現れそうな予感がしたので、思い留まりました。


「よろしくお願い致します」


 潤んだ瞳で上目遣いに見上げるテンコに、理性が飛びそうになるリックです。


 


「私も同行させてください」


 遊魔と賢者となったサーギナに合流したコーミが頭を下げました。


「そうなんですかァ」


 遊魔は笑顔全開で応じました。


「いいよ」


 サーギナは呑気全開で応じました。


「ありがとうございます」


 コーミは嬉し涙を流しました。

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