サーギナ暴走
リックはスケベな妖怪ハンターです。
途中で合流した魔法使いのサーギナが、奇想天外な強さを発揮し、大きなおおねずみを倒してしまいました。
その後、大きなおおねずみに反撃されたサーギナでしたが、無事でした。
意味がわからないリックでしたが、
「サーギナしゃん、賢者ににゃったとしても、肉弾戦は強くならないにゃん」
苦笑いして告げました。するとサーギナはキョトンとして、
「え、そうなの? じゃあ、どうして私、強くなったのかな?」
首を傾げました。
(サーギナしゃん、よくわからない子にゃん。可愛いのに可哀想にゃん)
リックは、サーギナは悪い病気だと思いました。
サーギナも、もっと悪い病気持ちのリックにそんな風に思われたくないと推察する地の文です。
「うるさいにゃん! 僕は病気じゃないにゃん!」
先天性スケベ症候群末期のリックが地の文に切れました。
「おのれえ、おおねずみ一族を愚弄しおって! 踏み潰してやれ!」
訳が分からない状態のおおねずみの団長が状況を呑み込めない自分の頭の悪さを棚に上げて、切れました。
「うるさい!」
団長も地の文に切れました。
「チュウウウ!」
大きなおおねずみはまた雄叫びを上げて、ズシンと一歩踏み出しました。
「サーギナしゃん、危ないにゃん!」
リックが助けようとした時でした。サーギナはポンと手を叩き、
「あ、そうか、賢者って、魔法使いと僧侶の呪文が使えるんだっけ」
急にまともな事を言いました。
「え?」
ギクッとする団長です。サーギナはスッと大きなおおねずみを指差して、
「最冷凍!」
最高位の冷凍呪文を唱えました。
「チュウウ!」
大きなおおねずみはなす術なく全身が凍りつきました。
「魔力がなくなったんじゃないのか!?」
団長があまりにもいい加減なサーギナに怒鳴りました。
「レベルアップしたから、魔力が回復してたの忘れてた。ごめんね」
テヘッと舌を出すサーギナです。




