サーギナの秘密
リックはスケベな妖怪ハンターです。
魔力ゼロのサーギナは蝶のように舞い、蜂のようにさして、大きなおおねずみを倒してしまいました。
「にゃにがどうしてなんとやら?」
リックは混乱しました。団長はハッと我に返り、
「ええい、何をしている!? 叩き潰せ!」
大きなおおねずみに怒鳴りました。大きなおおねずみはゆっくりと起き上がり、サーギナを睨みました。
「へーい、カモーン」
人差し指をくいくいと動かして、大きなおおねずみを挑発するサーギナです。
「チューチュー!」
大きなおおねずみも、バカにされている事に気づいたのか、雄叫びを上げて立ち上がりました。
「チュウウウウ!」
大きなおおねずみは近くにたまたまあった荷馬車を掴んで振り上げると、サーギナ目がけて投げつけました。
「サーギナしゃん!」
リックは涙ぐんで叫びましたが、サーギナは荷馬車の下敷きになってしまいました。
「やった!」
ガッツポーズする団長です。
「サーギナしゃん!」
リックは涙を流して叫びました。
あーんな事やそーんな事をしたかったのに残念だと思うリックです。
「そ、そんな事、思っていないにゃん!」
鋭い指摘をした地の文にあからさまに動揺して抗議するリックです。
「後で話がある」
美人幼妻に取り憑いている猫神の魔遊が耳元で囁いたので、漏らしそうになるリックです。
「次はお前だ!」
団長は非常に悪い顔になってリックを見ました。ビビるリックですが、
「おりゃあ!」
大きな気合いと共に荷馬車が砕け散り、サーギナが無傷で姿を現しました。
また揃って呆然となるリックと魔遊と団長です。
「どういう事にゃん? 君は魔力が切れたんじゃなかったのかにゃん?」
リックが涙を拭いながら尋ねると、サーギナはニコッとして、
「化けガラスを倒した時、レベルアップして賢者になったの。だから、肉弾戦も得意よ!」
何かが間違っていると思うリックです。




