サーギナ VS 大きなおおねずみ
リックはスケベな妖怪ハンターです。
魔法使いのサーギナは、ローブを脱ぎ捨てて、ビキニ姿になりました。
「おお!」
大きなおおねずみだけではなく、団長もリックも目を見張りました。
「リック!」
美人幼妻の遊魔に取り憑いている猫神の魔遊がリックの左頬を思い切り抓りました。
「いだいにゃん、魔遊しゃん!」
涙目で抗議するリックです。そして、はたとある事に気づきました。
(サーギナしゃんは、魔力がないのでは?)
サーギナは、化けガラスとの戦いで魔力を全部使ってしまったのでした。
しかも、回復には一日かかるのです(サーギナ談)。
嫌な汗がたんまりと出て来るリックです。
(魔力のない魔法使いは、只の可愛い女の子にゃん……)
リックはミンチにされるサーギナを想像して涎を垂らしました。
「そんな事、想像してないにゃん!」
本当はもっとスケベな妄想をしたリックは、少しだけホッとして地の文に切れました。
「それはバラしちゃいけないんだにゃん!」
突き刺さるような魔遊の視線を背中に感じながら、地の文に抗議するリックです。
「その子、可愛いから、ちょっと気絶させるだけにしろよ」
団長が嫌らしい笑みを浮かべて命じました。
「チュー!」
大きなおおねずみも嫌らしい顔になって応じました。するとサーギナが、
「来ないなら、こっちから行っちゃうよ!」
ダッと駆け出しました。
「ああ、サーギナしゃん、危ないにゃん!」
リックはハッとして叫びました。
「はあ!」
次の瞬間、サーギナはまるで 蝶のように舞いました。
「え?」
団長とリックと大きなおおねずみはほぼ同時に呟きました。
「おりゃあ!」
サーギナは大きなおおねずみの顔まで飛び上がると、右ストレートを放ちました。
「ぼへええ!」
それを左顔面にもろに食らった大きなおおねずみは、もんどり打って仰向けに倒れました。
リックと団長と魔遊は呆然としました。




