リックの反撃
リックはスケベな妖怪ハンターです。
美人幼妻の遊魔の踵落としのお陰で正気に戻れたリックは実はお喋りインコのサリアを指差し、
「お前の正体を見破ったにゃん、サリア!」
フッと笑って大見得を切りました。サリアはギョッとして、
「正体だと?」
するとリックはニヤリとし、
「惚けても無駄にゃん。僕は全部お見通しだったにゃん」
いつものように大ボラを吹き始めたので、耳栓を用意する地の文です。
「大ボラじゃないにゃん! ちゃんと聞くにゃん!」
地の文の非情な仕打ちに涙目で抗議するリックです。
「そうなんですかあ」
まだ夢見心地のままの遊魔が笑顔全開で応じました。
「すっかり騙されたふりをして、お前が油断するのを待っていたにゃんよ」
まるで事実と違う事を言い出すリックです。お薬を飲み忘れたのでしょうか?
「薬なんか飲んでいないにゃん! 僕は病気じゃないにゃん!」
いちいち揚げ足を取る地の文に切れるリックです。
「お前にゃんか、焼き鳥にしてやるにゃん!」
リックは紅蓮の炎を呼び出すと、サリア目がけて放ちました。
「うひゃあ!」
虚を突かれたサリアは防御もままならずに炎を浴びてしまいました。
「よし!」
ガッツポーズをするリックです。
「酷いわ! か弱い乙女に何て事をするのよ!」
炎のせいでチリチリになった髪とほとんど燃えてしまったボディコンを両手で隠しながら抗議するサリアです。
一瞬、そのチラ見えする身体に鼻の下が伸びそうになるリックですが、
「お前は女の子じゃないにゃん! 男にゃん!」
ズバッと指摘しました。
「ガーン!」
またしてもバブリーなリアクションをするサリアです。リックは再びフッと笑い、
「お前が男だから、子猫が反応しなかったんだにゃん。僕は女の子には優しいけど男には容赦ないにゃん」
サリアは涙ぐんでリックを睨みつけ、
「身体は男でも中身は女なのよ! その侮辱、許さないわ!」
雄叫びをあげました。




