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巨人の正体

 リックはスケベな妖怪ハンターです。


 一角の一つ目巨人と対峙したリックは、その突然の出現に疑念を抱き、挑発をしましたが、自分の考えが間違っているのを知りました。


(この巨人、幻じゃなかったにゃん)


 リックは幻術だと思ったのです。そのせいで、もう少しで大好きな巨乳の魔法使いのサーギナを踏み潰されてしまうところでした。


「そんな言い方、やめてほしいにゃん!」


 心の叫びを代弁した地の文に理不尽に切れるリックです。


(巨人の正体がわからないから、逃げるにゃん!)


 リックは遊魔とサーギナを伴い、逃げ出そうとしましたが、


「ねえ、ウオノメ、痛くないの?」


 サーギナはどこ吹く風と巨人にどうでもいい事を尋ねていました。


「サーギナしゃん、逃げるにゃん!」


 リックは叫びました。ところが、サーギナはあっさり巨人に捕まってしまいました。


「お前、俺の嫁になれ。そして、俺の子供をたくさん産むんだ」


 巨人は目を細めて嫌らしい笑みを浮かべました。


「いいけど、結納金はいくらくれるの?」


 巨人の右手の中でも呑気なままのサーギナが言いました。


「ゆいのうきん?」


 頭の悪い巨人には何の事かわかりません。


「うるさい!」


 的確な突っ込みをしたはずの地の文に切れる巨人です。


「ゆいのうきんなら、俺の住んでいる山にたくさん生えているから、好きなだけやるぞ!」


 バカ丸出しの事を言う巨人です。やはりこれは低級なモンスターが化けているのだと思う地の文です。


「うるさい!」


 地の文の指摘に動揺する巨人です。


「お金ない人は嫌いだよ」


 サーギナは右手の人差し指から地獄の鬼もビビる業火を出し、巨人を燃やしました。


「ふぎゃー!」


 巨人は雄叫びを上げました。


「カー、カー!」


 巨人は化けガラスの集団が形作っていたものでした。羽を燃やされた化けガラス達は、大慌てで逃げて行きました。


(サーギナしゃん、遊魔より怖いにゃん)


 嫌な汗を掻くリックです。

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