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巨人の実力

 リックはスケベな妖怪ハンターです。


 身の丈が十倍程違う巨人と睨み合うリックです。


(こんな大きなモンスターがそばに来るまで気づかにゃいなんて、おかしいにゃん)


 おかしいのは貴方の頭です、と思う地の文です。


「うるさいにゃん! 真剣に考えているのに、チャチャ入れないで欲しいにゃん!」


 いつでもどこでもおちゃらけている地の文に切れるリックです。


「何を騒いでいるんだ、猫? 踏み潰してやろうか?」


 一角の一つ目巨人がニヤリとします。リックは負けずにニヤリとし、


「踏み潰せるものなら、踏み潰してみればいいにゃん! お前にはそんな事はできないにゃん!」


 挑発し返しました。すると巨人は顔を真っ赤にして怒り、


「この俺様を愚弄しおって! 望み通り、踏み潰してやる!」


 大声で怒鳴り、右足を高々と持ち上げました。


「あ、ウオノメがあるよ」


 どこまでも呑気な魔法使いのサーギナが巨人の足の裏を見て笑いました。


「危ないにゃん、サーギナしゃん!」


 リックはサーギナに飛びつき、巨人の足から逃れました。


「危なかったにゃん……」


 サーギナがいた地面は巨人の右足がり込み、陥没してしまいました。


(僕の思っていたのと違っているのかにゃん?)


 嫌な汗が出て来るリックです。


「お前様!」


 サーギナに抱きついたままのリックに怒った美人幼妻の遊魔が踵落としを放ちました。


「今はそんな事をしている場合じゃないにゃん、遊魔!」


 リックは慌ててサーギナを抱いたままで遊魔をかわしました。


(この巨人、もっと小さなモンスターが化けているのかと思ったにゃんけど、違うのかにゃん?)


 リックは地面に減り込んだ右足を引き抜こうとしている巨人を見て思いました。


「今度は外さんぞ!」


 巨人は怒りがもっと強くなったようで、顔だけではなく、全身が赤くなっていました。


(まずいにゃん、ここは一旦逃げるしかないにゃん)


 いつものリックだと思う地の文です。

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