リック、魔法使いと会う
リックはスケベな妖怪ハンターです。
ベカサク帝国の皇宮を後にしたリックと美人幼妻の遊魔は、皇帝ケスウヨリに教えられた森に向かいました。
(魔法使いの名前が気になるけど、スタイル抜群も気になるにゃん)
エロい顔を剥き出しにして、ヘラヘラ笑いながら歩くリックです。
「お前様!」
遊魔はその様子を見て、リックの左頬を抓りました。
「痛いにゃん、遊魔」
それでもエロ顔が封印できないリックです。
キモいので連載中止にしようと思う地の文です。
「そんな事、ダメにゃん!」
地の文の最終兵器的脅しに仰天し、焦って抗議するリックです。
「そうなんですかあ」
遊魔は笑顔全開で応じました。
その頃、イナガンヒ王国では、宰相のザースが執務室にある姿見で、魔王ジュカブと話していました。
「あの猫共は、陛下のお城に向かっておるようです。如何致しましょう?」
ザースが尋ねました。するとジュカブはニヤリとし、
「捨て置け。猫如き、我が眷属に食われるだけよ」
「はは!」
ザースは深々と頭を下げて応じました。
そして、皇帝の言ったとおり、三百ケスウヨリ進んだところに、鬱蒼とした森が現れました。
「あの森にゃんね」
またエロい顔になりそうになったリックですが、遊魔の殺気を感じて、真顔を維持しました。
(リージュしゃん……。どんな女の子か、楽しみにゃん)
真顔のまま、エロい事を考えるという高等技術を駆使するリックです。
「待ってたよ」
するとそこへいきなり黒いフード付きのローブに身を包んだ者が現れました。
「おお、もしかして、リージュしゃんかにゃん?」
遂に堪えきれなくなって、エロい顔モロ出しになるリックです。
「残念でした。リージュは休暇中だから、代わりに私が一緒に行くよ。サーギナだよ。よろしくね!」
フードを脱いだその顔は可愛い女の子でしたが、
(名前が不吉な……)
嫌な汗が止まらなくなるリックです。




