リック、コーミを詰問する?
リックはスケベな妖怪ハンターです。
美人幼妻の遊魔に乗り移った猫神の魔遊は、気絶したコーミに衣を着せ、縄で縛りました。
(新しい遊びかにゃん?)
底なしのスケベのリックは思いました。
「この女は魔王ジュカブの覚えめでたき者。魔王の城の場所やそこまでの道のりも存じておるはず」
魔遊は真顔でコーミを見たままで言いました。
「そうにゃんですか」
リックは自分のスケベな妄想を恥ながら応じました。
「い、今、魔王の城の場所って言ったのかにゃん、魔遊しゃん?」
ビビりながら尋ねるリックです。
「うむ。それを聞き出すのじゃ、リック」
魔遊はリックを見ました。
「え?」
更にビクッとするリックです。魔遊は目を細めて、
「あれほど我を愛でておいて、今更魔王と戦うのは嫌だとは言うまいな、リック?」
嫌な汗がたんまりと出てくるリックです。
(魔遊しゃんのハニートラップだったにゃんか……)
後悔先に立たずを地で行くリックです。
「もちろんにゃん、魔王は僕が倒すにゃん」
白々しい事を平気で言う外道です。魔遊は微笑んで、
「頼もしい限りじゃ」
リックの頬を撫でて言いました。また嫌な汗がたんまりと出るリックです。
「じゃあ、コーミしゃんに話してもらうにゃんね」
リックは衣の袖から呪符を取り出しました。
「これをコーミしゃんのおでこに貼り付ければ、何でも話してくれるにゃん」
リックが呪符を貼ろうとした時でした。
「待たれよ、リック殿。そのような事をなさば、コーミが死んでしまいます」
皇帝ケスウヨリが入って来て告げました。リックは皇帝を見て、
「どういう事にゃん?」
すると魔遊が、
「呪詛か?」
ケスウヨリを見ました。皇帝は黙って頷きました。そして、
「コーミは元は普通の人間です。ジュカブに家族を人質にされ、命令に従っているだけです」
「可哀想なコーミしゃん」
リックは呪符をしまい、魔遊を見ました。




