リック、籠絡される?
リックはスケベな妖怪ハンターです。
ベカサク帝国の皇妃であるコーミに誘惑されたリックは、魔王ジュカブの配下でもある彼女の術にかかり、虜になっていました。
「さあ、おかけください」
コーミはリックを自分が寝ている寝台の端に座らせました。
(私と一度でも契りを交わせば、此奴はジュカブ様の僕)
コーミはニヤリとしました。
大変です。このままだと、リックは豚の僕になってしまうようです。
「余は豚ではない! 魔王ジュカブだ!」
どこかで地の文の悪口を聞きつけたジュカブが切れました。
「さあ、お召し物をお脱ぎくだされ。生まれたままの姿で私と語らいましょうぞ」
コーミは妖艶な目つきでリックを更に深みに誘いました。
「はいにゃん」
虚ろな目のリックは、ニヘラッとして服を脱ぎ始めました。
(うお!)
コーミはリックの身体が逞しいので目を見開きました。
(皇帝とは全然違う。やはりこの者は猫神の一族なのか?)
籠絡するつもりが、自分がリックの虜になりそうなコーミです。
「さあ、楽になさって」
コーミはリックを寝台に寝かせると、自分も衣を脱ぎました。
(気を抜くと、私がこの者に魅入られそうだ)
おかしな気持ちになりそうなコーミは、雑念を振り払うように頭を左右に動かしました。
「リック様、逞しいお身体ですわね。惚れてしまいそうですわ」
コーミがリックの厚い胸板を撫で回します。
「むひゃひゃ……」
くすぐったいのか、リックは妙な声を出して身を捩りました。
(さあ、貴方は私の虜、ジュカブ様の僕になるのよ)
一糸まとわぬ姿になったコーミがニヤリとしました。
その時でした。
「おねいさーん!」
リックが叫びました。すると、どこからともなく現れた子猫がコーミに襲いかかりました。
「そんなバカな! 子猫と奥方は封じたはず!」
呆然とするコーミは表現できない事をされてしまいました。




