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コーミの誘惑

 リックはスケベな妖怪ハンターです。


 魔王ジュカブが送り込んだ猫女のリリーはリックとその子猫達にしてやられました。


 ジュカブの配下でもあるベカサク帝国の皇妃コーミは、リックを色仕掛けで籠絡する作戦です。


 リックはきっとあっさりと引っかかる方にスーパーヒ○シくんを賭けてもいいと思う地の文です。


(あの子猫達を防ぐ手立ても考えてある。私に抜かりはない)


 さすが、ジュカブの右脚と呼ばれただけの事はあります。


「それを言うなら、右腕でしょ!」


 地の文のボケに気づき、鋭い突っ込みを入れて来るコーミです。


 でも、豚には腕はないと思う地の文です。


は豚ではない!」


 どこかで切れるジュカブです。


 


 リックと遊魔は皇帝主催の晩餐会に招待され、お抱えのシェフの料理を心ゆくまで堪能しました。


「陛下、奥方様がお目当てなのでしょう?」


 コーミは皇帝ケスウヨリに囁きました。その通りなので、ギクッとする皇帝です。


「本日は目をつむります。お口説きなさいませ」


 コーミの言葉にすっかりその気になってしまう皇帝スケベです。決してモデルはいないと思う地の文です。


「遊魔様、陛下がお話があるそうですよ」


 コーミは次に満腹でウトウトしている遊魔に声をかけました。


「そうなんですかあ」


 笑顔全開で応じた遊魔は、導かれるまま、晩餐会が催されている大広間から出て行きました。


 リックは美味しいお酒を飲んでいて、それに気づきません。


「リック様」


 コーミが色っぽい声でリックに寄り添います。


「にゃん!」


 途端にピクンとするリックです。


「この後、私とお部屋でお話し致しませんこと?」


 コーミが耳元で吐息を吹きかけるように囁きました。


「はいにゃん!」


 地の文の予想通り、あっさり応じてしまうリックです。


「では、参りましょう、リック様」


 コーミはリックの左腕に自分の右腕を絡ませ、胸を押しつけました。


 完全に夢心地のリックです。

 


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