魔王ジュカブ
リックはスケベな妖怪ハンターです。
ベカサク帝国の皇帝ケスウヨリに協力を約束されたリックは、地下牢でおとなしくしていました。
(ああ、魔遊しゃん、夢の中でもいいから、会いたいにゃん)
妻子ある身でそんな事を考える外道です。
「うるさいにゃん! 夢の中で何をしようと、問題ないにゃん!」
鋭い指摘をした地の文に浮気した男みたいな言い訳をするリックです。
(それにしても、皇帝と遊魔がおかしな事にならにゃいか、心配にゃん)
自分は浮気する気満々のくせに、美人幼妻の遊魔の浮気は絶対に許せないモラハラ夫のリックです。
「誰が高○ジョー○にゃん!」
個人名を出して誹謗中傷したリックです。
リックがアホな事をほざいていた頃、イナガンヒ王国の宰相の執務室では、宰相のザースが姿見で誰かと話をしていました。
「ベカサク帝国の皇帝ケスウヨリは同志コーミの術中です。もはやあの国は手に入れたも同然にございます」
ザースは深々と頭を下げて言いました。
「そうか。ならば、すぐにでもお前の国のバカ国王に戦争を仕掛けさせろ。両国が疲弊したところを一気に占領する」
恐ろしい事を言ったのは姿見に映っている魔王ジュカブでした。真っ黒なマントに身を包んでいるため、ブクブクに太った醜い身体なのかどうかは全くわかりません。
「ばらすでない!」
魔王ジュカブはスズキ○ナより口が軽い地の文に切れました。
「余を侮辱すると、豚にするぞ」
ジュカブは地の文を脅迫しました。ジュカブと同じになるのはご免被りたい地の文です。
「余は豚ではない!」
更に地の文に切れる豚です。
「だから豚ではない!」
あ、ジュカブでしたね。豚さん、ごめんなさい。
「豚に謝るな!」
地の文に遊ばれてしまったジュカブはゼイゼイと肩で息をしながら切れました。
「わかりました。早速手配致します、ジュカブ様」
ザースはニヤリとして応じました。




