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リック、夢でお告げを聞く

 イナガンヒ王国の地下牢から無事に脱出したリックは、美人幼な妻の遊魔を連れて城の外にあった森を走っていました。


「こんな所に小屋があるにゃん」


 きこりが休憩に使っているらしいログハウスがありました。


「一休みするにゃん」


 リックは言いました。


「そうなんですかあ」


 遊魔はボウッとしたままで応じました。


(遊魔、どうしちゃったにゃん?)


 リックは涙ぐんで遊魔を見ました。すると遊魔が、


「お前様、遊魔は疲れましたあ。介抱してほしいですう」


 妙に色っぽい声と目つきで迫りました。


「遊魔ー!」


 我慢ができなくなったリックは遊魔を押し倒しました。


 以下、自主規制です。


 ハッスルし過ぎたリックはそのまま寝てしまいました。


 


 リックは夢を見ていました。そこはお花畑で、お迎えが来るようです。


「違うにゃん!」


 心ない一言を言った地の文に切れるリックです。


『リックよ』


 どこかから、女性の声が聞こえました。


「どこにいるにゃん、おねいさん? 僕と楽しい事しようにゃん!」


 リックはよだれを垂らして周囲を見渡しました。


 するとそこには金色に輝くローブを身にまとった遊魔が立っていました。


「さっきのは冗談にゃん、僕が遊魔以外の女の子と楽しい事する訳ないにゃん!」


 尋常ではない汗を流して見苦しい言い訳をするリックです。


『取り乱すでない、リックよ。われは遊魔ではない。猫神の魔遊まゆうじゃ』


 遊魔にそっくりな女性は、何と猫神様でした。


「はあ? 猫神しゃま?」


 キョトンとするリックです。猫神様は微笑んで、


『其方の奥方である遊魔は我に瓜二つ。そのお陰か、遊魔の身体を借りて地上に降りてこられたのだ』


「そうにゃんですか」


 某お師匠様の口癖で応じるリックです。猫神様は真顔になり、


『イナガンヒ国王ネールはこの世界を我が物にしようと企む悪党。お前にネールを倒して欲しい』


 いきなりの要請に仰天するリックです。

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