サーギナ VS ジュカブ
リックはスケベな妖怪ハンターです。
大神官のサーギナは魔王ジュカブの策略で、魔王が待つ真っ暗な空間に呼び込まれました。
きっと嫌らしい事をするつもりだと思う地の文です。
「するか!」
ちょっとたじろいでから地の文に反論するジュカブです。
どうやら図星だったようです。
「ううう……」
地の文の名推理に項垂れるジュカブです。
その隙にサーギナはどんどん歩いて行ってしまいました。
「待てと言っておるであろう!」
ジュカブはまたふらつきながら怒鳴りました。
「待ってあげるけど、納豆は食べないからね!」
腕組みをして口を尖らせ、サーギナが振り返りました。
相変わらず言動が意味不明です。
(やはり、可愛いし、でかい)
スケベな豚はダメな豚だと思う地の文です。
「余はスケベではないし、豚でもない! 魔王ジュカブだ!」
更に地の文に切れ、ふらつくジュカブです。太り過ぎで、血圧が高いようです。
「其方の魔力、目を見張るものがある。余とサシで勝負しないか?」
ジュカブはニヤリとして提案しました。
「メバルは好きだけど、脂がのっていないと、刺身ではちょっとダメだよ」
更に意味不明の世界を解放するサーギナです。
(可愛いが、手に負えんほど不可思議な女子だ)
ジュカブは嫌な汗を掻きました。
「口でとやかく言うより、実際に試すのが早いな! 受けてみよ、余の魔力を!」
ジュカブは妖気を吹き出して自分の魔力を解放し、
「死の霧!」
呪文を唱えました。黒い霧状の何かがサーギナにじわじわと迫ります。
「ファ◯◯セッシュ!」
サーギナは衣冠束帯の中からスプレーのようなものを出し、霧に噴射しました。
すると、黒い霧はスーッと消えてしまいました。
「な、何ー!?」
仰天するジュカブです。
「くさい臭いは元から断たないとね」
笑顔全開で言うサーギナです。
「おのれえ!」
ジュカブは激怒しました。




