サーギナ、誘導される
リックはスケベな妖怪ハンターです。
「よおし、こんな城門なんて、僕の紅蓮の炎で……」
そこまで言いかけて、魔王の結界で妖術が制御されているのを思い出す鶏並みの頭のリックです。
「うるさいにゃん! そこまでアホじゃないにゃん!」
正しい表現をした地の文に切れるリックです。
確かに三歩以上は歩いたので、鶏よりは頭がいいかも知れませんね。
「何か、納得がいかない結論にゃん」
地の文の心からの反省に不満たらたらのリックです。
「こういうのを開くのは、あの呪文だよ」
大神官のサーギナが得意満面で言いました。
何となく察してしまった地の文です。
「そうなんですかあ」
美人幼妻の遊魔は相変わらずの笑顔全開で応じました。
美人姉妹のコーミ、ユーミ、サーミは固唾を飲んでサーギナを見守ります。
母親も同じです。ちなみに彼女の名前はキーミです。
(おお、大神官様、でかい!)
今更ながら、サーギナの巨乳に気づくスケベです。
「私はスケベではない!」
突然凛々しい表情になり、地の文に断固とした抗議をしてみせる実は悪の素質があるベカサク帝国皇帝のケスウヨリです。
「じゃあ、唱えるよお」
サーギナが大幣を取り出して掲げた時です。
「ああ!」
彼女の視界にずっと気がかりだった伊◯の踊り子の銅像が入りました。
「わあ、遂に出会えたね、山口さん」
意味不明の事を言って、銅像に駆け寄るサーギナです。
「サーギナ様、近づいてはなりません!」
銅像から発する妖気に気づいたコーミが叫びましたが、
「わーい!」
狂喜しているサーギナはそのまま踊り子像に抱きつき、一緒に消えてしまいました。
リックはそれを見て仰天しました。
(サーギナしゃんが消えちゃったにゃん!)
絶望感に打ち拉がれるリックです。もうあの巨乳は拝めないのかと。
「違うにゃん! 絶対エースサーギナしゃんがいないと困るんだにゃん!」
必死に言い訳するリックです。




