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第十九話 〜チーマー強くないか〜

階段を走って登り終えると、目の前に男が二人立ち塞がった。

こいつらがサキュバスさんが言っていた強いモンスターか?二人はとても屈強な身体付きをしている。身長は二人とも、百八十センチぐらいだろうか?そして、似ている。双子か?

戦ったらやばそうだ。


「お前ら何しに来た」


二人が声を揃えて俺達に話しかけてきた。


「サタナキアをぶっ倒しに来たんだよ!」


タイタンさんが大声でそう答える。

戦闘は避けられないな。


「えっ!お前らサタナキアちゃん倒しに来たの?」


え?


「なんだよー、あのパーティーの参加者かと思ったよ」

「あのパーティー?」

「そうそう、あの楽しいやつ。あんなことやこんなことをして楽しむパーティーだよ」


どんなことをするつもりなんだ、こいつらは。


「そこのケットシーは参加者ってことかな?」

「私ー?違うよー。私もサタナキアを、倒しに来たんだよー」

「なんですと!パーティーの女枠の参加者じゃなかったのか!いやー、残念だな。君みたいに可愛い子がいれば盛り上がったのになー」

「そんなことよりお前ら何者なんだ!」


タイタンさんが声を荒らげる。


「俺達?俺達は魔王軍の四天王の内の二人、チーとマーだよ」


何?四天王だと。これは戦うしかないようだ。


「じゃあ、ぶっ倒すしかないようだな!」


そう言うと同時にタイタンさんの先制パンチが決まった――はずたった。


「ぐ、ぐおー!!!」


何故だ?痛がっているのはタイタンさんだ。


「無駄無駄!俺達に物理攻撃は効かないよ!物理攻撃はそのままカウンターダメージさ!」


チーとマーはビックリする程、声が揃っている。コンビネーションがとてもいいという事か。


「じゃあ、これならどうかなー?束縛ー!」


ケットシーさんの手から荒縄が二人に飛んでいく。

その縄を二人は息を合わせて束縛されないよう両端をキャッチした。片方だけキャッチしても相手に巻き付くのだが、両端をキャッチされると巻き付けようがない。


「まじかー。これはきびしいねー」


ケットシーさんはこの戦いでは活躍出来ないかもしれない。

ということは、スキルが使える俺がやるしかないようだ。よっしゃ!見せてやる、俺のイマジンオッパイをな!

しかし、あいつらはコンビネーションが良さそうだ。二人を一緒にいさせたくないな。


「ケットシーさん、あいつらのうちの一人を誘惑できますか?」

「うーん、サキュバスさんがいたら良かったのになー」

「多分危険は伴うと思いますけど、一人なら縄で縛れるはずです」

「よし、分かったよー。やってみるー」


あいつらはさっきの会話から推測すると、阿呆(・・)だな。うん。そして、色気に弱そうだ。

ケットシーさんが一人にクネクネしながら近付いていく。


「ちょっとあなたー、私、実はパーティーの参加者なのー。二人じゃなくてあなただけと遊びたいのー。ねーいいでしょー?」


ケットシーさん棒読み過ぎるけど大丈夫か?


「おっ、可愛いね姉ちゃん!よっしゃ遊んでやるよ!」


ケットシーさんが上手く一人を誘導して二人を引き離したぞ。

それにしても、あいつらはさっきケットシーさんに荒縄を投げられたのをすっかり忘れているようだ。いや、プレイの一種かと思っているのか?取り敢えずいけるな。

俺は残ったチーかマーかどっちか知らないがそいつに向けてスキルを打った。


「イマジンオッパイ!!」


目の前にはLの文字。よっしゃ!これは凄い威力になるぞ!

十メートル程の二つの球体が相手を襲う。

って、あれ?跳ね返ってきやがった!まずい、避けきれない!


「うおーー!!!」


タイタンさんが走ってきて俺の前に立ち塞がった。


「ここは俺に任せな!!!!」

「タイタンさん!」


俺のスキルがタイタンさんに直撃する。地を揺るがすような爆発が起こる。


あいつら、スキルも跳ね返すのか......




最後まで頑張ります。

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