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追放された転生王子、『自動製作《オートクラフト》』スキルで領地を爆速で開拓し最強の村を作ってしまう 〜最強クラフトスキルで始める、楽々領地開拓スローライフ〜  作者: 熊乃げん骨
第七章 鉱石を探そう!

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第19話 太陽の女神

「……あれ? ここは……」


 宴が終わり、アリスに連れ去られた日の夜。

 僕は周りが真っ白な、なにもない世界で目を覚ました。


 女神様に呼び出された時は、よくこういったところで出会う。

 また女神様に呼ばれたのかと思っていると……


「よかった。無事呼ぶことができました」

「え?」


 声のした方を見ると、そこには一人の女性が立っていた。

 いや、正確には立っていない。その足は少しだけ宙に浮いている。

 その人は白いふわふわした髪をしていて、岩でつくられたような服を着ている。目は閉じられいてなにを考えているかは読みづらいけど、薄く微笑んでいるその顔はとても優しそうに見える。


「あの、あなたは……」

「我が名はヘリオス。太陽の力を司る、女神の一柱です」

「女神って……ヘスティア様と同じ、あの女神ですか?」


 僕が尋ねると、ヘリオスと名乗った女神様はこくりと頷く。

 確かに彼女からは他の女神様と同じ、なんだか神聖なオーラを感じる。悪い人にも見えないし、嘘ではなさそうだ。


 なんで急に僕の前に現れたのかは分からないけど、ひとまず僕も挨拶しないとだよね。


「初めましてヘリオス様。僕はテオドルフと申します。えっと……」

「あなたのことは存じています。ヘスティアの寵愛を受けし人の子よ」

「え?」


 僕が驚いたような顔をすると、ヘリオス様は楽しげに微笑む。


「ヘリオス。この名に聞き覚えはありませんか?」

「へ? そういえばどこかで聞いたような……あ」


 少し考えた僕は、最近聞いたある名称を思い出す。


太陽石ヘイリオス……」

「そう。ドワーフの子らを照らす巨大な魔石……あれが私なのです」


 ヘリオスさんはとんでもないことを口にする。

 ドワーフの国オルヴァザールには、確かに巨大な光る魔石があって、それが地下の世界を太陽のように照らしてくれている。

 この人……いやこの神様がそれってどういうことなんだろう?


「私はかの神魔大戦の最中、悪神ハデスと戦い命を落としました。その際に倒れたのがこの山なのです」


 ヘスティア様たち神様は、かつてハデスという悪い神様と戦い、なんとか勝利した。

 しかしその戦いで多くの神や英雄がこの地で死んだらしい。ヘリオス様もその内の一柱だったんだ。


「私は死後、巨大な魔石となりました。そして山の中に眠り長い時を過ごしました。人々に忘れられた神は力を無くす……自我も失いつつあった私は、このまま消えるのだと思っていました。しかしある日ドワーフたちが私を見つけ出し、太陽として使ってくれたのです」


 ヘリオス様はその日のことを嬉しそうに語る。


「ドワーフは私の光を敬い、信仰してくれました。信仰それは私に力を与え、こうして再び自我を取り戻すに至りました。彼らは私を愛し、私もまた彼らを愛したのです。しかし私の強い光は、別の者まで招いてしまいました」

「岩の王……」


 僕の呟きにヘリオス様は頷く。

 岩の王が来たことは彼女にとっても想定外のことだったみたいだ。


「自我を取り戻したとはいえ、戦うほどの力は残っていません。私は傷つく子らを見守ることしかできませんでした」


 眉を落とし、悲しそうな表情をするヘリオス様。

 しかし彼女は元の優しい表情に戻ると僕をじっと見つめてくる。


「ですがそこにあなたが現れました。あなたは見事哀れなゴーレムを撃退し、みなを救ってくれました。本当にありがとうございます。あなたには感謝してもしきれません」

「そんな、僕は手を貸しただけですよ。それにドワーフの人たちと仲良くなりたかったっていう打算もありましたし」

「照れなくても良いのですよ。あなたは賞賛されるに値することを成したのですから」


 ヘリオス様はそういうと僕の方に近づき、顔を覗き込んでくる。

 女神様はみんなとても美しいのでついつい見とれてしまう。


「心優しく、愛しい子。あなたの険しき道に祝福がありますように。私はあなたの旅路を祈ってますよ」


 ヘリオス様はそう言って僕の頬を優しくなでると、ちゅっと僕の頬にキスをする。

 僕が驚いて目を丸くしていると、彼女は僕の手になにかを握らせ、最後に微笑みを浮かべる。


「ヘスティアたちにお伝えください。私は元気にやっている、と」

「あ、ヘリオス様――――」


 景色が白く染まっていき、意識が霧散する。

 こうして僕は、ヘリオス様から加護をいただいて元の世界に戻るのだった。


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