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第4話 兄さんの話を聞こう!

「お久しぶりです、パトリック殿下。ご壮健でなによりでございます」


 屋敷に入ると、レイラがそう出迎えてくれる。

 他にもアイシャさん含め十人ほどのメイドさんがいる。彼女たちもアイシャさん同様にレイラにメイドスキルを叩き込まれた人たちだ。中にはエルフの人もいる。他にもメイド志望の人はいるみたいだし、大所帯のメイド隊ができるのも時間の問題かもしれない。


 まあそれはいいとして、なんでなにも言ってないのにもう出迎えの準備ができてるんだろう?

 レイラに尋ねても「一流のメイドですので」としか教えてくれない。この世界のメイドさんはエスパー能力が標準搭載なんだろうか。


「それに……ガーラン様も、よくぞいらっしゃいました。いつか来てくださると思っていましたよ」

「ははは! それは嬉しいな。私も嬉しいぞレイラ殿。よく殿下を一番側で支え続けてくれたな。イザベラ様も喜んでおられるだろう」


 久しぶりに顔を合わせたレイラとガーランが楽しそうに再会を喜ぶ。

 これでこの村にあの時のメンバーが全員揃ったことになる。アリスは仕事で今村にはいないけど、もし帰ってきたら驚くだろうね。


「お荷物をお預かりします。さ、こちらに」


 メイドさんの一人がパトリック兄さんの荷物を預かり、中に案内する。

 僕たちが入ったのは椅子と机がある応接室。見た目こそ普通の部屋だけど、この部屋の壁は魔石を素材として作った特殊な壁で、外から透視や盗聴がされないようになっている。


 領主にもなればこういった部屋も必要なのかなと思って作っておいたけど、まさかこんなに早く役に立つ日が来るとは思わなかった。


「それで兄さん話というのは……」

「うわ!? なんだこれ!? 美味すぎる!!」


 兄さんはレイラが出した飲み物を口にして驚きの声を上げる。

 ああ……あれを飲んだんだ。確かに初めてあれを飲んだら驚くよね。


「ごくっ、ごくっ……ぷは。レイラさん、これはなんだい!? 世界各地を回った私でも、こんなに美味い飲み物は飲んだことがない!」

「朝採れた果実のみで作りました果実水になります。ブレンドは私が担当しました」

「果実だけでこの甘みが!? 信じられない、まるで砂糖が入ってるかのように甘いが、それでいて後味は驚くほどさっぱりしている。いやあ凄い……果実水も極めると芸術品だな」


 パトリック兄さんは果実水を興味深そうに眺めながら呟く。

 それに使われた果実は全部この村で採れたもの。その味はとても美味しい。神のくわで耕しただけでも野菜や果物の品質は上がるけど、世界樹が生えてからその品質は更に一段階上がった。


 エルフのアンナさんの話によると、どうやら世界樹は根付いている土地に祝福を与えてくれるらしい。その祝福が神のくわの効果と相乗的に働き、更に土の質が上がったというわけだ。


 僕も朝、レイラの作ってくれた果実水をよく飲むけど、最初は美味しすぎて混乱したほどだ。正直その味は地球で飲んだジュースよりずっと美味しい。転生して良かった。


「……と、少しはしゃぎすぎたな。そろそろ本題に入るとしようか」


 兄さんは五杯目の果実水を飲み干すと、そう切り出す。

 少し? と疑問に思うけど、まあ今はいいか。


「そうだな……レイラさんとガーランは聞いてくれていい。他の人は下げてもらえるかい?」

「分かりました」


 僕が目配せすると、レイラは他のメイドさんたちを下げさせ、扉を閉める。

 これで僕たち以外にこの部屋の話を聞ける人はいない。数キロ先の蟻の足音を聞き分けることのできるルーナさんでも無理なほど、この部屋の防音設備は行き届いている。


「ありがとう。それじゃあえーと、なにから話したものか。うむ、まずは本題から話すか」


 兄さんはそう言うと、僕が想像もしていなかった、とんでもないことを口にする。


「私は父上から、王座を奪い取ろうと思っている。テオドルフ、手伝ってくれないか?」

「え? …………えええええっ!?」


 驚く僕の視線の先で、兄さんは不敵な笑みを浮かべている。

 い、いったいどういうことなの!?


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― 新着の感想 ―
[良い点] 第一王子が味方なら早期の王位交代は願ったりだね。 もし王位交代後にも王国が良くならないようなら、いよいよ「レガリア国」として独立かな?
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