第4部 0章 0話 猫の最期
お久しぶりです!
それから何日が経ち、何か月が経ち、何年かが過ぎた。
獄帝はその帝座から降りる事は無かった。
死を求める獄界の住民に死を与えた。
そうして少年は淡々と自分の仕事をこなした。
ある日
少年は珍しく、ある人にあった。
「やぁ?修斗君」
皇帝の名前にふさわしい住処
血と臓物と骨で作られた冒涜的で悍ましい帝宮の中に一匹の猫が姿を現した。
「.......誰だ?......」
「僕だよ、君に助けられた猫さ!」
修斗は真っ黒な眼窩で猫をみた。
「それにしても、酷い姿だね。スカルフェイス?って言うの?その顔、それに体もなんだか不定形じゃないか」
「.....そうだな.....」
「....君をこの世界に送らなければ君もそうはならなかったかもしれない。僕も罪悪感は感じてるんだよ」
「.....そうか.....」
無気力にしか返事をしない修斗のそばに猫は近づいた。
「もう一度、もう一度だけ、人間界に行ってみないか?」
猫は懇願するようにそう言った。
「.....なぜだ......」
修斗は猫を撫でようとしたが、万物を燃やす黒い焔がある事に気が付いて手を引っ込めた。
「君は創造神の呪いを受けている。創造神は星を作り、世界を作り、全てを作って」
猫は自ら修斗の方に飛び乗った。
「そして創造神は創造物を壊すための焔を作った。しかし誰もそれを扱う事ができなかった。あまりに残酷で、凶悪で、凶暴だからだ。」
猫は黒い焔に焼かれるのも気にせず続けた。
「だからそれを獄界と言うゴミ箱に捨てた。そして自分の作り出した世界にあきた」
猫は全身を焦がしながら修斗の方から降りた。
「全てを破壊するもの。別名、終焉の焔。これは君達の世界から名付けたんだ」
猫は立つのも辛いらしく、ゆっくりと修斗の膝の上に丸まった。
「それが火である必要は無い。それはあらゆる形であらゆるものを破壊するのだから」
猫は消えかけの声でそう言った。
「....最期に..一つ..ごめんね、あんな思いをさせて....」
そう言うと猫は灰になって空へと昇って行った
猫の灰を見送っていると、こんな声が聞こえてきた
「僕は君と共にいる。僕は君の友だ。だから、友の遺言だと思って、もう一度だけ、もう一度だけ人間界に行ってくれ。きっと今はもっとマシな世界になっているさ...」
修斗は灰を最期まで見送ると、ディーネが入ってきた。
「あ!わが君!こちらにいらしたんですか!お探ししました!」
黒髪を背中まで伸ばし、綺麗なポニーテールにし、帝宮の床に大きく広がるほどの肩が大きく露出する着物を着ていた。
凡人が見ればあまりの大胆さと美しさに理性が崩壊するだろうが、ディーネの身に纏う余りに濃すぎる死の気配でそのまま自ら命を絶つだろう。
「ディーネ、人間界に、行ってみないか?」
修斗はそう言った。
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