3章16話 勇者
今回は修斗とユーではなく
桜井と倉田ちゃんの話です。
学校が終わり、夜6時頃の桜井と倉田の帰り道。
2人の足元に突如奇怪な陣が浮かび、それを見ると2人は物凄い光に包まれて、気づいたら、石に囲まれた薄暗く狭い部屋で、足元には光に包まれる前に見たものと同じような陣があった。
「ようこそ異世界の勇者様!《アーセディラ》へ!」
桜井と倉田は目の前の豪華なドレスを着た金髪ロリ巨乳にそう言われた。
そう、修斗達がダンジョンに向かうと同時に、桜井と倉田は修斗達と同じ世界に召喚された。
「すまない。何を言ってるか分からないんだが?」
「こちらの言語が分かりませんか?勇者として召喚されたなら言語は分かるはずですが?」
「いや、わかるが、意味がわからない」
「私はこの国の第一王女、シルヴィと言います」
シルヴィと言った美しい少女は桜井の方に微笑んだ
「……美しい……」
「…女の私でも惚れそう…」
「とりあえずこちらへ。お部屋にご案内します」
桜井と倉田はシルヴィに連れられて部屋から出ると、途轍もなく豪華絢爛な景色が目に飛び込んで来た。
「「凄い綺麗!」」
「ふふふ。私の家はこの世界で5本指に入るほど大きな家です」
桜井と倉田が周りをキョロキョロしながら歩いていると、格別大きな部屋の前でシルヴィが止まった。
「ここがお二人に泊まって貰う部屋です。お二人はここまで来る途中でずっと手を組んでいました。それほど親密なお二人なら相部屋でも構いませんよね?」
「「ええ」」
「中でメイド達がお待ちしておりますので、まずはお風呂に入り、着替えて来てください。程よい時間に改めてお話ししようと思います」
「「は、はい」」
桜井と倉田は部屋に入ると10数人のメイド達にお風呂に入れられて着替えさせられた。
数分後
「お着替えは済んだようですね。お二人ともよくお似合いです」
2人は格式張った、元の世界で言うところのスーツを着ていた。
「私も失礼します」
そう言うとシルヴィは桜井と倉田が座っていた大きな円卓に腰かけた。
「改めて、異世界の勇者様方、《アーセディラ》へ」
「それで、どうして僕達はここへ召喚されたんだ?」
「まだうまくこの世界に適合してませんね。しばらくするとわかると思います。とりあえず今は晩餐会へ」
桜井と倉田は何だがシルヴィの言葉に従わないといけない気がして、言われるがままついて行った。
晩餐会会場では元に世界では見た事もないほど綺麗な装飾や美味しそうな食べ物が並んでいて、綺麗な音楽も聞こえてきた。
その音楽を聞いた途端、2人はなんだが他の事が考えられなくなり、2人は存分晩餐を楽しんだ。
そして晩餐会が終わると、2人は酔っているのか、ふらふらとした意識のまま部屋に戻り、深い深い眠りについた。
2人が寝静まった頃、別の部屋で、
「お母様、お父様、勇者達は眠りました」
「そうか。術式はきちんと刻まれているんだな?」
「ええ。少し時間がかかりましたか、きちんと【服従の呪印】は刻まれています。暫くすると我々の言う事には逆らえなくなるでしょう。歴代の勇者のように」
「時間がかかったか、今回の勇者は期待できるようだな」
「そうみたいですね。今回は生贄を多めにしたから、また領内の子供を何人かさらわないといけませんね」
「構わないさ。足りなくなったら奴隷商人から買えばいい」
「ふふ。これでまた他国に勇者と言う力を売る代わりに多額のお金を請求出来ますね」
「あらあらお母様ったら、お金だけじゃありませんよ?貰えるには」
「ふふ。私の愛娘もわかってきましたね」
そんな会話をしながら、三人は優雅にワインを飲んでこれからどうやって勇者を運用しようか楽しく話し合った
それから数ヶ月間
桜井と倉田は人形のように、勇者になるためにひたすら鍛えられ、礼儀作法、亜人差別などを刷り込んだ。
そうして最高傑作の勇者である桜井と倉田は操り人形として【災厄の魔王】と戦う事になった。
次からまた修斗とユーの話に戻ります。




