3章13話 先手
魔人戦争開始です。
まだ薄暗い夜明けの頃
修斗とユーは既に準備を終えていた。
部屋を出ると、なんとまだセリアさん一家がいた。
流石に今日はセリアさんも仕事はないらしく、セイラちゃんと一緒に食堂でご飯を食べていた。
「おはようセイラちゃん。セリアさん」
「おはようお兄ちゃん!」
「おはようございます修斗さん」
「おう!起きたかい修斗!飯はできてるよ!しっかり食って、頑張ってくんな!」
「皆さんは避難しないんですか?」
「私はどこにも行かないよ。ここが私の店だからね。もし私の家族を襲おうってんなら、全員挽肉にしてやるさ」
セラさんはどこからか、数十メートルありそうな斬馬刀を両手持ちしてそう言った。
(この人前線に立たせた方がいいんじゃないか?)
「おはようお母さん。セリア達も。おはよう修斗くん、ユーさん」
「おはようおとさんもぐもぐ…」
「落ち着いて食べてくれセイラ。修斗君たちは逃げないのかい?」
「この宿の期日はまだなので」
「あれ?でもこの前一生分払った気が…」
「うるさいよあんた!飯食うのかい!?食わないのかい!?」
「ああ!食べます食べます!」
アークはいつも通りご飯を食べ出した
「そういえば、アークさんは逃げないのですか?」
「やだなぁ。お母さんと娘達を置いて逃げるなんてみっともない。それに僕はこの街が好きだから」
「なるほど。ちなみにどんな武器を?」
「ん?僕は決まった武器は使わないんだ」
「はぁ。オールラウンダーですか?」
「まあ、そんな所だよ」
「なるほど」
修斗はそんなたわいもない話をして食事を終えると、ギルドへ向かった
既に編成は終えているらしく、街の中央広場には数多くの冒険者達がいた。
「諸君!今日はよく来てくれた!この街の命運は君たちにかかっている!私が言いたい事はただ一つ!生きて!帰って来てくれ!以上だ!」
シンプルな演説だったが、みなそれを聞いて俄然やる気が出て来たようだ。
「先ほど諜報部隊から最新の情報が来た!敵は正門にしかいない!残りの3つの門の近くに敵影は一切確認されていない!相手の全勢力は正門の離れに広がる平原で陣を作って真っ向勝負する気らしい!ならば私達も出るぞ!」
「「「「「「おー!」」」」」」
そうしてギルドマスターが冒険者を全て引き連れて出て行ってしまった。修斗とユーは残して。
「セラさんやアークさんも行ってしまったか」
「そのようですね。ご主人様」
「俺は…何かおかしいと思う」
「私もです。なんと言うか、嫌な予感がします」
「なぜ相手は正々堂々勝負する?なぜ相手は全勢力を正門にしか配置しなかった?何を考えている?」
「……。」
ユーも修斗も黙り込んで考えてしまった。
「まさか…相手は正門に全軍を固めるフリをして、相手の索敵範囲外に伏兵さえている?」
「いえご主人様、ここの街の諜報員のトップはS級冒険者です。そんな方が見え落とすとは思えません」
「となると、相手は最初から正々堂々とやり合おうと言って、さらに全軍を正門前においた。そして俺たちはうって出た。まさか相手は街が空になるのを狙って…」
そこまで考えてこれから起こる最悪の事態をギルドマスターに報告しようとしたがもう遅かった。
街中の空にはいくつもの召喚陣が展開されていた。
先手必勝ですね。
修斗とユーはどうするんでしょう…
次回に続く!




