表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学校の無敵の首席騎士様は、ちょっとコミュ障、大型わんこ系でした  作者: 真弓りの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/144

首席騎士様は、怒る

魔物の追撃を必死に躱し、防戦する数分のうちに、魔物の数がみるみる増えていく。



「さすがに死を覚悟したよ」



追われて、追われて、アリシア様とも逸れてしまった。


アリシア嬢にはいっさい興味を示さず、自分だけを追ってくる魔物の様子に、さすがのジェードさんもピンときた。


さっきの変な液体が、魔物を惹きつけてるんじゃないかって。


四方八方からの魔物の攻撃に、さすがに防ぎきれずにいくつもの傷を負い、血を吐きながら、このままじゃヤバいと自分を守る結界を張って……リカルド様に助けを求めたのがついさっきのこと。



「お前が来てくれるなら、下手に応戦しない方が賢いだろ? その時点で結構なダメージもくらってたし。だからとりあえず、結界の維持に全力で努めた」


「英断だ」


「でっしょー?」



言葉少なに褒めるリカルド様に、ジェードさんは満面の笑みを見せる。


さっきまで死を覚悟していたなんて思えない安心し切った笑みに、ジェードさんのリカルド様への信頼を見た気がした。



「それで、アリシア嬢は?」



リカルド様が重ねて聞けば、ジェードさんは考えるように小首を傾げる。



「場所は分からないけど、お前たちが来る前に、念話で『結界張って動かないで』って言ってあるから、大丈夫だと思うんだよね」


「そうか」


「あ、さっき俺がやったみたいに閃光魔法撃ってもらおうか。その方が早い」



言うが早いか、ジェードさんは目を閉じた。


あたしはやったことないから分からないけど、きっと今、念話してるんだよね。すごいなぁ、憧れちゃうなぁ。



「よし、大丈夫そう」



目を開けたジェードさんが言った瞬間、遠い空にまばゆい光が点滅する。



「あそこか」


「ひえっ!!!??」



位置を把握したリカルド様が、即座にあたしとジェードさんの手を掴んで転移する。さすがにあたしは慣れたけど、ジェードさんは思いっきりびっくりしていた。


これだけ仲が良さそうでも、リカルド様の転移って見たことがなかったのかしら。


そして、リカルド様の転移精度の正確さには、あたしもまだ驚いちゃうよね。だって、目の前でアリシア様が腰を抜かしたみたいになってるし。



「良かった、大丈夫みたいだね」



しかもあんな目にあっておきながら、すぐにアリシア様にかけよって声をかけてあげているジェードさんの優しさったら。ほんと顔だけじゃなくて男前な人だな。


アリシア様は震えながら、ジェードさんへと手を伸ばした。



「ジェ、ジェードさん……無事で」


「無事で、じゃないだろう!!!」



突然の怒声が、樹海を震わせる。


思わず耳を覆うくらい……リカルド様のこんな声を聞いたのは、初日にあたしが結界を転がり出て以来のことだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【作者の新作】こっちもオススメ♪

ここをポチッと押してね(^-^)

『麗しの男装騎士は、スパダリになりたい』

新作です。王子の婚約者としての任も護衛の任も突如解かれたレオニー。 傷心で集中力を削がれた彼女は剣術の模擬戦で顔に傷を負う。高身長に婚約破棄、顔に傷。自分の女性としてのマイナススペックに苦笑しつつ騎士として生きていくことを決意する彼女の前に現れたのは……。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ