つい追ってしまう人 ー エリオット
たまにはこんな日常もいいよね
アニメこのあと23時から3話放送です!
アクアスティード様が確認済みの書類を手に取り、各部署へ戻すよう文官たちに指示を出す。
時間を確認すると、午後の落ち着いた時間。ティアラローズ様とお茶をするのにちょうどいいだろう。
「アクアスティード様。天気もいいですし、本日は庭園でお茶をされたらいかがですか?」
「そうしようか」
了承を得たので、メイドに準備するように伝えて執務室を出る。まずはティアラローズ様を迎えにいき、エスコートで庭園まで行く流れだ。
ティアラローズ様の部屋の前にはタルモが待機していたので、お茶会の誘いという旨を伝えて繋いでもらう。すぐ、フィリーネから入室の許可がおりた。
アクアスティード様が部屋へ入ると、ティアラローズ様が嬉しそうに微笑んだ。
「今日はいい天気だから、庭園でお茶でもどうかと思ってね」
「もちろんです、アクア様」
頷くと、アクアスティード様はティアラローズ様をエスコートして庭園へ向かう。
タルモが先頭を歩き、その後ろをアクアスティード様とティアラローズ様が。その後ろを、私とフィリーネがついていたった。
***
庭園に着くと、メイドが用意したティーセットをフィリーネが受け取り給仕を始める。
私はついつい、それを目で追ってしまう。
フィリーネはティアラローズ様の侍女というだけあって、所作が美しい。
素早い動作なのに音を立てることがなく、常にティアラローズ様を第一に考えている。
以前、ティアラローズ様からフィリーネは姉妹も同然ということを伺ったことがある。互いを大切にし、尊重していることが二人の持つ空気からわかる。
「エリオット」
「はい?」
ふいにフィリーネから名前を呼ばわれて、思わず瞬きをしてしまう。
見れば、紅茶とケーキの給仕はすんでいるようだ。
「本日のケーキは、料理長の新作だそうです。エリオットもいかがですか?」
フィリーネの手元にあるホールケーキは、ホワイトチョコレートと苺のショートケーキだった。
アクアスティード様とティアラローズ様は、歓談しながら美味しそうに召し上がられている。
ティアラローズ様のがこちらを見て頷いたので、きっと美味しいケーキを私やフィリーネにも食べてほしいのだろう。
「せっかくなので、いただきます。フィリーネも一緒に食べましょう」
「え? いえ、わたくしは……」
フィリーネはティアラローズ様の給仕があるため、すぐ首を振ろうとした。が、ティアラローズ様から「いいじゃない」と食べて欲しいという視線が飛んでくる。
それに困り顔になってしまうフィリーネは、いつもの凛とした様子と少し違い、もう少し見ていたくなってしまう。
……って、こんなことを考えては駄目ですね。
「フィリーネの分は私が切り分けましょう」
「エリオット!?」
慌てた様子のフィリーネに、私は笑顔で「たまにはご一緒させていただきましょう」とケーキを切り分けた。




