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45話:復縁? それとも……? PART2

 負け犬の遠吠えほど、悲しいものはない。

 恥ずかしがっていた未仔でさえ、「私も先輩たちに謝ったほうがいい……?」と夏彦に目で尋ねる始末。


「ただのやっかみだから。未仔ちゃんは無視しとけ」


 夏彦の代わりに答えるのは、後ろの席で頬杖ついている草次。

 当然、未仔の謝罪リストのトップはこの男。

 草次のいる席へ小走りした未仔は、そのまま深々と頭を下げる。


「伊豆見先輩にもご迷惑をお掛けして、本当にごめんなさい」

「気にしてねーから、大丈夫だって」


「俺としては、夏彦と未仔ちゃんの関係が元に戻ったことに安心したわ」と、女子メンバー同様、草次も軽く笑って流してくれる。


 もとより誰も怒っていなかっただけに、未仔の謝罪会見は10分も掛からずフィニッシュ。許しを得るどころか、ただただ好感度が爆上がりするという珍妙な会見であった。


 これにてハッピーエンド。めでたしめでたし。

 となるわけがない。


「あ、あのさっ!」

「ん?」


 意を決した夏彦が、草次へと尋ねる。


「草次と奏さんは仲直りできたの……?」


 草次と奏の関係性問題。

 夏彦としては、謝罪会見より、こっちの問題のほうが気掛かりだった。

 夏彦だけでなく、未仔まで身構えて傾聴姿勢に入ってしまえば、「あー……」と草次は間延びした声を出す。


「昨日から連絡とってねー」

「「!?」」


 あまりにもナチュラルに告げられる言葉に、夏彦と未仔どころか、女子グループたちでさえ固まってしまう。いくら恋バナ大好き女子とはいえ、破局ピンチな話題ともなればお通夜にもなる。

 嫉妬にまみれていた塩谷と逆瀬でさえ、「え……。俺たち、本気で恨んでるわけじゃ……」と顔面蒼白。


 固まっている場合ではない。夏彦は未仔と一緒に背を縮めてヒソヒソ相談会。


「ねぇ未仔ちゃん。奏さんはプールでの一件が誤解だってことは知ってるんだよね……?」

「う、うんっ。『ナツ君と伊豆見先輩は、女子グループの先輩たちとは偶然出会っただけでした』って伝えたはずなんだけど……」

「そのときって、奏さんの反応はどんな感じだった?」

「えっと……。目をパッチリ開けてたし驚いてたと思うよ。そのあと、『そっか』って小さく呟いたの」


 その場に居合わせていない夏彦としては、どういう意味で『そっか』と呟いたかまで分からない。

 仮に居合わせていたとしても、奏と親しい未仔でさえ現状困惑しているのだ。結果は変わらなかっただろう。

 せめてもの救いは、取り乱すような怒りを奏が抱いていないことくらいか。


 疑問は残るものの、「少し歩み寄るだけで仲直りできるのでは?」と思うのが一般論。

 一般人代表である夏彦は今一度、草次へと話しかける。


「誤解なわけなんだからさ。ここは草次のほうから――、」

「昨日も言ったろ。俺は謝らねーぞ」


 頑固一徹。皆まで言わすんじゃねーぞと、草次に言葉を遮られてしまう。


「原因を作ったのは俺だけど、悪い方向に勘違いした奏にも非はあんだろ」


 夏彦は先日、草次が別れ際の言葉の数々を思い出す。

『腹立つもんは腹立つ』『心の整理が付いてない』『誕生日くらい覚えてる』などなど。

 さらには、『誤解だったのに謝ってこない』が追加されてしまえば、草次サイドから歩み寄ることは困難を極める。


「い、伊豆見っちは頑固だなー! ウチの爺ちゃん家のカボチャくらい固いんじゃねーの? ははははは―――、」

「うるせーぞ逆瀬。カボチャで頭カチ割るぞ」

「酷いっ! 農家の敵!」


 ムードメーカーな逆瀬をもってしても一蹴。不機嫌ムードクラッシャーの前では全くに歯が立たない。


(どうしたもんか……)(どうしよう……)


 夏彦と未仔は見つめ合うものの、見つめ合うだけでは時間が経過していくだけ。

 ついには、タイムアップを知らせる予鈴のチャイムが鳴り響いてしまう。


 救世主登場?


「いやはやセ~~~フ!」


 駆け足気味に教室へと入って来るのは、トースト代わりにウィダーを咥える琥珀。

 そのまま勝利の美酒もとい、勝利のウィダー。キレイどころのお姉さんが缶チューハイを美味しそうにグビグビするCMかのように、あっという間に10秒飯を完了させる。


 教室が気まずげな雰囲気に包まれていることなど知らない琥珀は、上機嫌にも夏彦たちのもとへ。


「いやぁ~~♪ ランクマも佳境に入って、ついつい夜更かしぺクスが捗ってまうわぁ♪」


「やっとマスター帯入ったんよ」と、おヘソがチラ見えするくらい惜しげなく背伸びする琥珀を見て、夏彦は思う。


(な、なんて気楽な奴なんだコイツは……)


「ん? 皆揃って、どないしたん?」


 首を傾げられてしまえば、呆れて物も言えず。






【感謝】

ついに2020年も今日で終了ですね。


本当にこの一年間は、おっぱいのことばかり考えていたなと(笑)

同時に、本格的にWEB小説に挑戦した年だったので、

商業でいきなり出すのとは違った楽しさや難しさも知れて、とても有意義な一年でした。


来年はもっと色々なことに挑戦していけたらいいなぁと。

今日は来年の抱負を考えつつ、ビールでも飲もうと思います( ̄^ ̄)ゞ



おっぱいフレンズ、一年間お疲れ様でした!!!

来年もどうぞよろしく!




【宣伝】

既に多くの書店さんに並んでいるものの、明日が公式発売日!

年末年始は寒波がすごいようですが、是非是非、『おぱもみ』のイチャイチャ甘々な展開で暖を取っていただければと!

( ゜∀゜)・∵.オッパイ!!



【暇つぶしにどうぞ】

『構って新卒ちゃん』の連載版も不定期投稿をスタートしたので、暇が有り余ッティな方は是非是非。

日本酒好きの先輩LOVEな後輩ヒロインです。( ̄^ ̄)ゞ



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『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。3巻書影
― 新着の感想 ―
[良い点] 安定の甘さ [気になる点] おっぱいが足らん! [一言] 最近手を抜いてるぞ! おっぱい成分が全然足らないじゃないか! おっぱい回はよ! ps ぼくはちょっとおっぱいが普通の男性より好…
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