37話: バイトデビューは甘くほろ苦く PART2
書影公開&公式ページがオープン!
さすがの草次も、この炎天下の中でアイスコーヒーを飲む気分にはなれないらしい。支給されたウチワを扇ぎつつ、冷えたスポドリを豪快にグビっていく。
イケメンと清涼飲料水のマッチング率が異常な件について夏彦が考えていると、
「てかさ夏彦」
「うん?」
「お前はいつまで水着女子に緊張してんだよ」
「……」
童貞と水着女子のマッチング率も異常。
悪い意味で。
「そ、そんなこと言ったってしょうがないじゃないか!」
夏彦、見事なまでの開き直りっぷり。
「水着女子だぞ!? 緊張するに決まってるから!」
「学校でも女子のスク水見てんじゃねーか」
「学校指定とは全っ然、違う!」
日常では中高生時代しか拝めないスク水だが、当の本人には見慣れた水着。スク水にはスク水の良さがあることに気付くのは高校を卒業してから。
平々凡々な高校生からすれば、ビキニという代物は刺激物の何者でもない。
ナイトウェアチックなワンピースタイプ、
アダルティな色気を醸し出すオフショルダータイプ、
可愛さを最大限に引き立てるフリルタイプ、
シンプルイズベスト。露出度高めな三角ビキニなどなど。
少な目布地も何のその。乙女たちは大胆かつ華憐にも、夏の太陽や男たちの視線にも臆することなくプールでお戯れなさるのだ。
「普通に接客すればいいのは分かってるんだけどさ。テンション上がってキラキラなお姉さん方と目を合わせるのって、やっぱり緊張しちゃうんだよ……!」
「はあ」
恥ずかしいからといって、視線を下げても楽園。
普段は絶対に拝めない谷間や乳神様であったり、純真無垢な白肌や健康的な小麦肌、キュッとしたウエストやら丸みを帯びたヒップ、細っそりしたモモやムチっとしたモモなど。
頭のてっぺんから爪先まで、肌に流れる水滴すら殺傷能力が備わっている。
「俺みたいな小心者は、マガジンの巻頭グラビアだって恥ずかしくて直視できないんだよ! 自分の部屋以外では!」
「洞察力の高さに、こんな弊害があったとはな……」
キョロ充あるある。情報過多になると視線ブレがち。
いくら放任主義者の草次とはいえ、バイトの相方がこうも水着女子に対してポンコツなのは放っておけない。
仕事に支障をきたすから?
答えはNO。自分に色恋を仕掛けてくる女子たちを少しでも夏彦に押し付けたいから。
「ここにいる女子全員、未仔ちゃんって思えばいいんじゃないか?」
「えっ。未仔ちゃんに?」
「よく言うだろ? 緊張してるときは、周りの人間をジャガイモに思えって」
ジャガイモを応用した『未仔ちゃん多重影分身案』。
「ここにいる水着女子全員、未仔ちゃん……」
何とも魅力溢れる提案に、広大な屋外レジャープールを夏彦はゆっくり見渡してしまう。
さすがは未仔妄想検定十段といったところか。己の脳内お花畑フィルターを用いれば、辺り一面ミコミコパニックにすることなど造作もない。
見渡す限り、未仔・未仔・未仔。
流れるプールに注目すれば、沢山の未仔がどんぶらこ、どんぶらこ。
ウォータースライダーに注目すれば、「きゃ~~♪」と物凄い勢いで未仔が落ちてくる。
キッズゾーン、噴水広場に注目すれば、小さい未仔、ロリ未仔たちが水を掛け合って大はしゃぎ。
(な、なんだこの素晴らしき世界……!)
妄想は止まる事を知らず。夏彦は、もし未仔が浮き輪をレンタルしにきた場合のことをイメージしてしまう。
◇ ◇ ◇
「ナツく~~ん♪」
ビキニ姿の未仔が、向こう側のプールサイドから元気いっぱいに駆け寄って来る。
たゆんたゆんっ、ぽよんぽよんっ。
未仔の柔らかくて大きな胸も、普段着から解放されて元気いっぱいに弾む弾む。
目の前にやって来た未仔は、スタッフと化した夏彦へと早速注文する。
「ナツ君、1つ貸してください♪」
「ええっ!? 俺!?」
「うんっ♪ ナツ君と沢山遊びたいから!」
プールサイドの天使が、まさかのレンタル夏彦をご所望。
断る道理などあるわけがない。「頂戴っ、頂戴っ」と両手を広げてくる未仔へと夏彦は歩み寄る。
そのままに決意表明。
「ふ、不束者ですが、ご自由に俺をお使い下さ――、」
「ダメッ~~~!」
「え……? !!!」
夏彦が驚くのも無理はない。未仔の後ろから、別の未仔が夏彦目掛けて飛び出してきたから。
そう。夏彦を同じくレンタルしたい未仔Bが出現。
まさかの未仔A&未仔Bのやり取り再来。夏彦の両手を左右の未仔たちが引っ張り合ったり抱きついたり。
しかし、以前の妄想よりもエロス具合はケタ違い。
(な、生乳が……!)
YES。未仔 is 水着バージョン。
夏彦を取り合えば取り合うほど、彼女たちの露出された柔肌、布切れ1枚に支えられたおっぱいたちが、夏彦の二の腕やら肩やらに容赦なく幸せをプレンゼント。
「私がナツ君と流れるプールで遊ぶんだもん! 1つの浮き輪に一緒に入るの!」
「私がナツ君とウォータースライダー滑るんだもん! ナツ君の背中に沢山くっつくの!」
「ちょ、ちょっと2人とも慌てな――、」
「「やぁ~~~~!」」
一体、いつから未仔が二人だけだと錯覚していた?
「「「「「ずるいっ! ナツ君は私のなんだもんっ!!!」」」」」
「う、うおう!?」
何ということでしょう。
未仔Aと未仔Bの奪い合いを見ていた大量の未仔たちが、夏彦求めてまっしぐら。
ロリ未仔、JD未仔、お姉さん未仔、ギャル未仔、白スク水未仔、ちっぱい未仔などなど。夏彦の全身という全身が、未仔に包まれてしまう。
まさに未仔パラダイス。
久々の夏彦妄想祭りをお届け。
次話ではさらに……?
【お知らせ】
お待たせ、おっぱいフレンズ!
ついに書影が公開!!!
活動報告のページで色々まとめましたので、どうぞよろしく(☝ ՞ਊ ՞)☝
未仔の圧倒的イラストアドッ……!
1/1(金)の発売をお楽しみに!





