第七十六話 空爆
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「ギルマス、全部隊総動員してください。一気にケリをつけましょう」
「よしわかった。指揮はどうする?」
「ギルマスに任せます。俺達は指揮なんか出来ないんで」
「わかった。頼んだぞ」
「そちらこそ」
俺達は外に出た。幸い、まだ爆弾は降ってきていなかった。とりあえずこれなら全員でかかる必要も無いだろう。
「シャルティア、ミツハ、サリエル、アスカ、俺達は分かれて迎え撃とう。それぞれアスタさんのところとここ以外のどこかのギルドに向かってくれ。俺もどこかに行く。あと、出来る限り人間は殺すのではなく捕らえてくれ」
「わかったのじゃ」
「任せてくださいご主人様」
「仕方ないわね」
「殺すのだー」
「では、私が連れていきましょう。こことアスタ様のギルドを除いても、残り3つのギルドがあるので、確実に勝てそうなところにいる方を移動させることもあるかもしれません」
「よろしくお願いします」
ここは優秀なギルマスがいるし、アスタさんのところはまあ……余裕だろう。とにかく、さっさと地球軍を倒してやろうか。執事さんに連れていってもらったギルドの近くで陣取っている地球軍が見えた。戦闘機が大量にあるくらいで、エルフとかのように普通に空を飛んでいるやつとか、地上に降りてきている人間はいなさそうだった。まあ、人間が空飛んでいたらおかしいけどな。
「英雄軍の荒巻です、助けに来ました!」
「ありがとう、助かるよ!」
俺が行ったギルドの外で、戦闘機が大量に待機していた。発射口を開こうと頑張りながら、逃げているが、あんなのは的だ。攻撃の手段もない雑魚でしかない。
俺はセラフ、セレス、テームドラゴン、エリートアイスメイジを召喚する。爆弾のない戦闘機などに恐れる必要も無い。さっさと落とすか。
「セレスは味方にバフ、他のみんなは戦闘機を集合攻撃だ!」
戦闘機には残念ながら魔法が効かなかった。つまり、魔法使いやエルフに、エリートアイスメイジ、セラフの魔法が通らなかった。しかし、セレスのバフがかかった冒険者達の猛攻や、テームドラゴンの体当たりなどで、戦闘機の数を減らしていった。落ちてきた戦闘機の中にいる人間は、魔法が効くので、魔法で捕らえていった。
人間を捕らえることに反対するやつもいるのではないかと思っていたが、英雄という肩書きのおかげか、全員が快く承諾してくれた。
とはいえ、死者は大量に出てしまっていた。落ちてきたときに打ちどころが悪かったやつはもう助からないだろう。仕方ない事とはいえ、胸が痛んだ。それとも、元人間が人間を殺して胸が痛む程度だなんて、狂ってるのかな……もうわかんねぇよ……。
それでも、攻撃の手を緩めることは出来なかった。
遂に恐れていたことが起こった。戦闘機の発射口が開き、爆弾を落とす準備に入っていた。魔王軍がそう簡単にやられたとは思えないが、苦しい状況にあるのは確かだろう。さっさと助けに行かなくてはならないが、空爆が始まるとなると、そう簡単にはいかないかもしれない。それでもやるしかねぇ!
「爆弾は下にしか撃てません! 上から叩いてください!」
「任せろ!」
爆弾が市街地へと降り注ぐ。それは死の雨を降らせた。下にいた冒険者で、避けきることが出来なかった者達は、身体中が焼け、即死したものもいれば、ギリギリで生きている人達もいる。ヒーラーが回復をしているが、全員間に合うかと言われれば……。
「クソが! 殺してやる!」
「落ち着いてください! 焦っては相手の思うつぼです!」
「ああ、英雄様、すまねぇな。ちょっと取り乱しちまった」
クソッ、何が落ち着けだ、俺が一番焦ってるだろうが! それでも、弱音を吐くわけにはいかねぇ! 俺は英雄だ!
「テームドラゴン、行くぞ!」
「グォォォォォオ」
なんとか落ち着きを取り戻した冒険者達と協力し、なんとか戦闘機を全て落とすことに成功した。だが、犠牲も大きかった。この戦闘だけでも何人が死んでしまったか……。それでも辛い顔を見せるわけにはいかないよな。
「皆さん! お疲れさまです! まだ増援が来るかもしれません、気を抜かずに、ここを守ってください。俺は他のところを助けてきます!」
「おう、ここは任せてくれ英雄様!」
「頼もしいですね。任せました!」
その直後、執事さんがやってきた。
「さすがです荒巻様、これで今のところは全てのギルドが安全な状態になりました。魔王城についてきてください」
「わかりました。それにしても、もう全ての戦闘機を落とせたんですか!?」
「ええ、皆さんいい活躍をしてくださいました」
さすがはあいつらだな。やっぱり俺なんてまだまだだ。
「では、テレポートします」
眩い光に包まれ、次に目を開けたときに魔王城の上空で、あいつが大きな羽を煌めかせていた。
「久しぶりやなぁ、破壊神! 妾の地球軍に殺されるがええわ!」
「アルテミス! てめえ裏切りやがったのか!」
「裏切ったぁ? 元から妾は地球側に決まってるやんけ!」
そこにいたのは、俺に服従しているはずのアルテミスだった。




