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私は騎士団のチートな紅茶師です!  作者: 奏多
第二部 騎士団の喫茶店

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ゲームの進行具合の情報を収集します

 思いがけなく、ゲームのクエスト進行を知ってしまった。

 死霊が出没するのは、森の中のちょっとしたダンジョンだ。

 メインの話には関係のないダンジョンなのだけど、設定としては絡むらしい。


 精霊融合実験の事件を起こした者達が、竜を呼び寄せる魔術の条件をそろえるため、そこで魔物の命を使っての禁術を使ったのだとか。


 でも私の方に魔女というスキル名がある以上、敵には魔女はいないと思ったのだけど。順調に進めているということは、他にも魔女がいるんだろうか?

 いなかったらやらないわけで……。


 他にも犠牲者がいるのかという落ち込む気持ちと、他にも魔女がいるなら今後どうなるんだろうという不安を感じたものの、どうしたらいいのか。

 もっと魔法が使えたり、精霊と話ができれば、そういう情報も集められるんじゃないかな。


「……」


 あの大きなゴブリン姿の精霊を探したい。

 彼は沢山のことを知っているようだった。

 でもお茶を作る時に出て来る精霊に聞いても、返事をしてくれないんだよね。姿はあの羊みたいなもこもこ服になったんだけど。だから教えてもらえない。


 もっと話せたら良かったんだけど。レベルが上がったら、その方法も出てくるのかな?

 そんなことを考え込んで、ちょっと黙ってしまったせいだろう。


「連れて行きませんよ」


 イーヴァルさんにそう言われる。たぶん私が行きたいから、何か考え込んでいると思ったんだろう。


「先日も人事不省で連れ戻されて、リュシアン様にも大変心労をかけたばかりです」


「はい。団長様にもフレイさんにも迷惑をおかけしまして……」


「フレイは放っておいても大丈夫です」


 きっぱり言うあたり、イーヴァルさんは団長以外は気にしない質なのか。

 いや。前回も結局私について気を遣ったりしてたわけで、つんつんしてるけどフレイさんのことも心配してるはず……だよね?


 でもまぁ、イーヴァルさんのおかげで不安を横に置こうと思えた。

 ほんとツンデレはリアルだと理解しがたいけどね?

 対応しにくいけど、まぁ事務能力が高くてちょっとツンとしていた経理のお局様だと思えばいいかと想像していると、イーヴァルさんが目を細めた。


 え、何か怒らせるようなことした?


「ユラ、少し動かないように」


 そう注意され、何か後ろにいるのかと緊張したけど。

 イーヴァルさんはついっと手を伸ばして、私の頭の横あたりに触れた。


「糸くずがついてましたよ。頭の上に布でも載せてたんですか? ……いや、喫茶店用の品ですか」


「あ、はい。小物を少し揃えてみたくてですね」


「時間があれば、手伝って差し上げるのもやぶさかではないのですが、これから私も外へ行く用事があるので……」


「え!? イーヴァルさんってお裁縫なさるんですか?」


 意外や意外。イーヴァルさんの特技がなんか可愛い! しかも手伝ってあげたいとか思ってくれたんですか!? 裁縫好きっぽさに思わずほわっとしたけど、さらに驚くことを続けて聞いてしまった。


「私より、リュシアン様の方が得意ですよ」


「それは意外……」


 あの団長様がティーマットとか縫う姿が思いつかない。

 でもちょっとピンときた。絶対お祖母ちゃんのお手伝いしてたせいだな、団長様。


「よくそう言われているようですね」



 なにげにびっくりする情報を語ったイーヴァルさんが帰った後、私は夕食時に、オルヴェ先生から死霊の討伐について詳細を聞いた。

 私が行くような流れになるかどうかはさておき、ゲームとの齟齬とかを聞いておきたかったので。


「ああ、あれな。どうもお前が気にしてた導きの樹、あれを探す過程で見つけたらしい。お、そのパンもういらないのか? くれ」


「はいどうぞ。みんなと同じ量くれるのは嬉しいんですが、食べきれないので、今度は最初から先生の方に置いちゃいますねパン」


「そうしてくれ。物足りないとなぁ。どうしても酒盛りしてる奴らのところに邪魔して、ついでに食い物摘まんで来るんだよな……」


 そういえば、最近の先生の飲み歩き頻度減ってるような気がしてたけど、お腹すいてたんですね。


「我慢しないで頼んだらどうですか? それで導きの樹を探してたら、死霊が出る場所に?」


 オルヴェ先生はうなずきながらパンを飲み下し、お茶を口に入れてから返事をする。


「そうだそうだ。導きの樹が固まって生えてる場所は見つけた。お前の茶で戻ったんだろう、精霊が集まっていたみたいだが、確かに樹が枯れかけていたらしい。そもそも精霊が変化していたのも、樹そのものを呪ったんじゃないかという話を団長がしてたな」


 なるほど。それで導きの樹の精霊が一枝だけでも……と言ったのか。


「まぁ、そこは団長がなんとかした。騎士団の畑の辺りで、挿枝で苗木を育ててる。そこに精霊が蝶みたいにたかってるらしいから、心配なら見てくるといい」


「ああ良かった……。で、死霊の出る場所ってどんな感じで?」


「ちょっとした洞窟だったらしいな」


 おおむねゲームと同じらしいことがわかった。

 谷底に入り口があって、上へと登って行くタイプのダンジョンだ。

 魔法を使える騎士ばかりの24人体勢で行くというので、たぶん問題ないだろう。レベル帯も20ぐらいから挑戦できる場所だし。


 それに……と思う。

 もしかすると、また精霊達がプレイヤーのごとく参戦するかもしれない。

 あのプレイヤー精霊も謎な存在なんだよね……。わからないことが多すぎる。でも答えがどこにもないので今はまだ知りようはないけれど。


 にしても、幽霊は普通に倒せる魔物扱いなんだなということが、ふっと不思議に感じた。

 そう考えてみれば、この世界って風情がちょっと足りないよね。

 お盆や彼岸みたいな風習がないってことだもの。


 一年に一度、孫の顔でも見に行こうかな……と思ったら、娘か息子に依頼された討伐者とか騎士や兵士に倒されたりするんじゃなぁ。

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